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2008年11月24日(月) 21時07分

ファン殺到! 「0系新幹線」引退控えJR西が“厳戒態勢”産経新聞

 初代新幹線・0系が11月30日で営業運転を終了し、引退するのを控え、JR西日本がテロ警備を超えるほどの警戒態勢を取っている。日本の高度成長期を支えた「夢の超特急」の最後の雄姿をカメラに収めようと鉄道ファンが詰めかけることが予想されるためで、0系が通過する山陽新幹線の駅ホームには警備員を配置する措置を取っている。特に最終日の30日は、乗客が自由席に殺到することも想定し、社員を大量動員して警備にあたる方針で、担当者は「トラブルなく、無事に過ぎてくれれば…」と、戦々恐々としている。

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 0系は、昭和39年の東海道新幹線開業と同時にデビュー。新型車両の登場や老朽化に伴い営業運転を終えるが、思い入れの強い鉄道ファンも多く、最終日の前売り指定席は発売開始と同時に完売。引退後の12月に3日間限定で予定されている「さよなら運転」(全席指定席)も、追加販売分も含めてすべて売り切れた。

 JR西が10月から同社ホームページ内に開設した0系の特別サイトには、これまでに約1万4000件のアクセスがあった。メッセージを書き込む欄には、約2000人が投稿。「修学旅行で初めて乗った」「帰省でいつも使っていた」…それぞれの思い出や、感謝の言葉が並んでいる。

 JR新大阪駅では、9月ごろから鉄道ファンが0系の写真を撮る姿が目立ち始め、週末になるとホームを埋め尽くすほどに。このためJR西は「さよなら運転」が終わる12月14日までの週末、延べ720人の警備員が各駅で安全確保に当たることを決め、22日から配置を始めた。

 JR西では、7月の北海道洞爺湖サミットの財務大臣会議などで、関西に要人が訪問した際にも大規模な警備態勢を敷いたが「今回は、7月のサミット時をはるかに上回る規模」(JR西広報部)だという。なかでも懸案となっているのが、営業最終日の11月30日の警備態勢。当日運行する0系5本の計2000席のうち、1500席弱が自由席のため、乗客が殺到する可能性もあるためだ。

 「ラストラン」となる午後2時51分岡山発「こだま659号」も、自由席が約250席。JR西は「自由席の乗車率は200%近くなるのではないか」と予想しており、駅員以外の社員もホームに配置し、警察とも連動して転落防止などに当たるという。

 JR西は、今年3月に寝台急行「銀河」(大阪−東京)が引退した際も警備員を手配しているが「今回はケタ違い。コアなファンだけでなく、普段鉄道に興味がない人の注目も集まっている」と分析している。

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