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2008年11月24日(月) 22時54分

小泉容疑者、元次官と家族10人殺害計画スポーツ報知

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、警視庁に銃刀法違反の疑いで逮捕された無職小泉毅容疑者(46)が、ほかにも厚生労働省の数人の事務次官経験者と家族の計10人前後の殺害を計画していたとみられることが24日、警視庁の調べで分かった。調べに対し、元次官数人の名前を具体的に挙げて供述しているという。

 警視庁は複数の次官経験者ばかりを狙った詳しい動機を捜査している。小泉容疑者は、襲撃した2人の元次官の住所について「図書館で調べた」と供述したという。

 小泉容疑者が出頭した際、車にあった段ボール箱2つのうち、1つには妻が襲撃された東京都中野区の元次官吉原健二さん(76)の名前が書かれた配達伝票が張ってあったが、もう1つは別の次官経験者の名前だったことも判明。

 警視庁は、この次官経験者も名前を挙げた数人のうちの一人で、宅配業者を装って殺害しようとしたとみている。小泉容疑者は新たな犯行を実行しなかった理由について「(事件を受け)警備が厳重になった」と供述しているという。

 調べに対し「大学の時に厚生省の幹部をやらなければならないと思った。恨みがあった」とも供述している。

 警視庁は、出頭時に乗っていた車から計10本の刃物を押収。逮捕容疑となったナイフ1本は血が付着し、柄の部分に白い布が巻かれ、柄と刃の間にはプラスチック製のつばが取り付けてあった。犯行時にけがをしないよう細工したとみられる。ほかにサバイバルナイフなど9本も見つかった。

 警視庁は23日、さいたま市にある小泉容疑者の自宅アパートを家宅捜索し、ノートパソコン1台を押収。自宅はインターネットに接続できる環境にあった。

 出頭直前、複数の報道機関に「年金テロではない」「最初から逃げる気はない」などと書かれたメールが届いており、小泉容疑者は「マスコミ数社に出頭する旨のメールを送った」と供述。メールの内容と同じ趣旨の供述をしており、警視庁はメールは小泉容疑者が送ったとみている。

 小泉容疑者は「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」と動機を説明しているが、元事務次官を殺害する理由としては飛躍があり、警視庁はパソコンを解析し、犯行動機につながる記述がないか捜査を進める。

 警視庁は24日、銃刀法違反容疑で小泉容疑者を送検した。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081124-OHT1T00274.htm