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2008年11月23日(日) 02時59分

「俺が次官を殺した」出頭の男を銃刀法違反で逮捕 殺傷事件の裏づけ急ぐ産経新聞

 さいたま市南区と東京都中野区で、元厚生事務次官とその家族が相次いで殺傷された事件で、警視庁は23日未明、血のついた包丁などを所持して「元次官を刺した」と出頭した男を、銃刀法違反容疑で逮捕した。

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 逮捕されたのはさいたま市北区の小泉毅容疑者(46)。

 調べによると、小泉容疑者は 22日午後9時40分ごろ、東京都千代田区霞が関の警視庁に軽自動車で乗りつけ、庁舎の警備に当たっていた機動隊員に「俺が事務次官を殺した」などと話したという。動機については「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」などと供述しているという。

 調べに対し、小泉容疑者は「宅配便の仕事をしていたことがある」とも供述しており、警視庁は今後、銃刀法違反容疑で調べるとともに、元厚生次官ら連続殺傷事件についても裏づけ捜査を急ぐ。

 小泉容疑者が乗っていたのは、川越ナンバーのレンタカーの軽乗用車。血の付いたものなどサバイバルナイフ8本とスニーカーを所持しており、後部座席には段ボール箱が2個置かれていた。

 元厚生次官を狙った連続殺傷事件では、17日夜から18日にかけて、元厚生事務次官の山口剛彦さん(66)と妻の美知子さん(61)がさいたま市南区別所の自宅厳寒で、刃物のようなもので胸など数カ所を刺されて死亡、18日夕には、山口さん方から約15キロ離れた東京都中野区上鷺宮の元厚生事務次官、吉原健二さん(76)宅の玄関先で、吉原さんの妻、靖子さん(72)が宅配業者を装った男に胸をさされ重傷を負う事件がおきていた。警視庁と埼玉県警は、同一犯による連続殺傷事件の可能性があるとして、合同で捜査にあたっていた。

  山口さんは東大法学部を卒業した昭和40年、旧厚生省に入省。大臣官房会計課長や年金局長、官房長などを歴任後、平成8年11月に同省事務次官に就任。吉原さんは昭和30年に旧厚生省に入省、63年に厚生事務次官に就任し、平成2年の退官後は厚生年金基金連合会理事長や厚生年金振興事業団理事長などを歴任した。

 2人は同じ三重県出身。吉原さんが59年6月に同省年金局長となった際、山口さんは同局課長を務め基礎年金制度の導入などに尽力、「年金のプロ」と呼ばれていた。

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