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2008年11月23日(日) 02時19分

厚労省関係者、男の出頭に「戸惑い」と安堵読売新聞

 次官経験者を狙った凶行に不安を募らせていた厚生労働省の歴代次官からは、男の出頭に戸惑いと安堵(あんど)の声が上がった。

 現職の江利川毅次官は「きょうは山口元次官夫妻の通夜で遺体と対面し、改めて大きなショックを受けていたところだった」と話し、「本当に犯人なのか、まだ疑う気持ちもあるが、事件が解決に向かうといいと思う」と話した。

 辻哲夫・前次官は「まだコメントするような心境にない。本当に犯人かどうか分からないので、もう少しよく見守りたい」と困惑気味で、「本当に不可解な事件なので、誰かが出頭したから良かったという話でもない」とも語った。

 2004〜06年に次官を務めた戸苅利和さん(60)は「犯行動機がはっきりしないのに、必要以上に警戒しても仕方がないとは思っていたが、外出はできるだけ控えてきた」と、ひとまず安堵した様子。1994〜96年に厚生次官だった多田宏さん(69)は「事件後はできるだけ外出を控え、家族と自宅にいた。出頭した男が犯人であってほしい」と言葉少なに語った。

 東京・霞が関の厚労省では、男が出頭したというニュースを受け、休日出勤の職員らが鳴り続ける電話の対応に追われた。ある職員は「本当に犯人なのか。とにかく情報を集めているところだ」。同僚からの連絡で駆け付けた同省広報室の吉竹浩一室長補佐は「こんなに早く事態が動くとは。まだ何も分からないのでとにかく推移を見守りたい」と興奮気味にテレビのニュースに見入っていた。

 自宅のテレビで男の出頭を知った現職幹部は、事件後の生活について「普段と変わらず仕事をしようと努めてきたが、常にぴりぴりして異常な状況だった。警察が時々、自宅を見回りに来てくれたが、家族も心配し、落ち着かない毎日だった」と振り返り、「男の出頭で事件が解決することを心から願っている」と祈るように話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000007-yom-soci