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2008年11月23日(日) 02時11分

「どちらもやった」と男…土曜の夜、官庁街騒然読売新聞

 「元次官を殺した」。東京・霞が関の警視庁に車で乗り付けた男はそう告げた。元厚生次官の自宅が相次ぎ襲撃された事件で、元次官夫妻の殺害が判明してから5日目の22日夜、事態は急展開した。男の年齢や所持していたナイフなど、事件との共通点は多く、緊張の日々を強いられてきた歴代次官経験者からは「解決に向かってほしい」と祈るような声が上がった。

 午後9時20分。男が車で乗り付け、「おれが事務次官を殺した」と警戒中の機動隊員に告げた警視庁の正面玄関付近には、パトカーなど10台以上の緊急車両がサイレンを鳴らしながら続々と集まった。

 土曜日の夜で直前まで静まり返っていた霞が関の官庁街は、騒然とした空気に包まれた。男の乗っていた川越ナンバーのレンタカーの周りで鑑識課員が写真を撮り、車内を調べ始める。

 男が任意同行された警視庁麹町署。午後10時ごろから報道関係者が続々と詰めかけ、同庁の捜査車両も次々と駆け付けた。中野区の元厚生次官、吉原健二さん宅で起きた事件を捜査している同庁刑事部の幹部らも到着。一様に険しい表情で署内に入っていった。

 男は「(中野区とさいたま市の)どちらも自分がやった」とも話している。

 同署の署長室で、立延(たちのべ)哲夫・同庁捜査1課長の記者会見が始まったのは23日午前0時過ぎ。立延課長は冒頭、「銃刀法違反被疑者の出頭について発表します」と述べて発表文を読み上げた。集まった約40人の報道陣からは「二つの事件との関連は」などの質問が飛んだが、立延課長は「これから捜査する。今は銃刀法違反事件の逮捕状を準備している。あせらないで」と述べるにとどまった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000005-yom-soci