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2008年11月23日(日) 01時28分

「次官刺した」と男出頭 血付着のナイフとスニーカー所持スポーツ報知

 22日午後9時20分ごろ、東京都千代田区霞が関の警視庁本部に男が出頭し「おれが事務次官を殺した」と警備の機動隊員に話した。男は血の付いた手袋、ナイフとスニーカーを所持しており、警視庁は麹町署に同行、銃刀法違反容疑で逮捕する方針。元厚生次官ら連続殺傷事件に関与した疑いが強いとみて捜査する。

 警視庁によると、男は46歳で「コイズミ・ツヨシ」と名乗り、さいたま市北区の「小泉毅」名の免許証を持っていた。「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」などと話しているという。

 男は連続殺傷事件の犯人の目撃情報と同じ身長165センチで、さいたま市の住民票も所持。サバイバルナイフ8本を持ち、2本に血が付着していた。うち1本は全長33センチ、刃渡り20センチだった。車は川越ナンバーのレンタカーで、後部座席には段ボール箱があった。

 連続殺傷事件は18日午前発覚。さいたま市南区の元次官山口剛彦さん(66)宅で、山口さんと妻美知子さん(61)が玄関で胸などを複数回刺され死亡しているのが見つかった。同日午後6時半ごろには、東京都中野区の元次官吉原健二さん(76)宅玄関で、吉原さんの妻靖子さん(72)が宅配便を装った男に胸を刺され重傷となった。

 山口さん宅と吉原さん宅の周辺には、犯人のものとみられる血が付いた足跡が残っており、警視庁は男が所持していたスニーカーと照合する。

 出頭した男は過去に宅配便の仕事をしたことがあると話しているという。

 吉原さんは1988—90年、山口さんは96—99年に旧厚生省の事務次官を務めた。警察庁は元同省幹部を狙った連続テロの可能性があるとみて、全国の警察本部に関係者の警備強化を指示していた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081122-OHT1T00260.htm