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2008年11月23日(日) 01時42分

車の男「おれが殺した」 警視庁前の歩道騒然東京新聞

 皇居・桜田門に近い警視庁前に22日夜、突然車で乗り付けた男は「おれが事務次官を殺した」と警備の機動隊員に告げた。助手席には無造作に置かれたポリ袋や緑色っぽいリュックサック。足元には袋に入れられたスニーカーが見える。後部座席には衣類などが入っているとみられる段ボール箱も置かれていた。

 車は警視庁正門前の歩道上に、斜めに突っ込むように停車。現場は無線で慌ただしく連絡し合う警官や報道陣らでごった返し、騒然とした雰囲気に。車はブルーシートで覆われ、30−40人の警官が取り囲んで鑑識活動が行われた。

 元次官山口剛彦さん(66)夫妻が殺害された事件の捜査本部が置かれた埼玉県警浦和署。幹部は報道陣の問い掛けに「警視庁が事情聴取している。こちらにはまだ話が来ていない」と答えるのが精いっぱい。

 JR武蔵浦和駅近くの住宅街にある山口さん宅周辺の住民らは「もし犯人だとすれば、早期解決にほっとしている」。

 東京・霞が関の厚生労働省には関係職員が次々登庁。「保健所にペットを殺されたから」との男の供述が伝わると、ある中堅幹部は「そんな理由で人の命を奪ったとすれば、どうしようもない」と力なく話した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008112201000913.html