記事登録
2008年11月23日(日) 00時36分

夫妻の帰宅直後に襲撃か 元厚生次官ら連続殺傷中国新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、さいたま市の殺害された山口剛彦やまぐち・たけひこさん(66)が十七日の事件前、外出していたことが二十二日、埼玉県警の調べで分かった。妻美知子みちこさん(61)も十七日夕、買い物に出ていた。二人は別々に帰宅後、夕食までのわずかな間に襲われたとみられ、県警は犯人が夫妻を待ち伏せしていた可能性もあるとして、不審者の目撃情報がないか捜査している。

 また、これまでの現場検証では室内が物色された形跡は見つかっておらず、県警は動機が金品目的の可能性は低いとの見方を強めている。

 県警のこれまでの捜査で、美知子さんはJR武蔵浦和駅近くのスーパーで十七日午後五時三十八分に食料品を購入した後に帰宅し、山口さんが五時五十一分に美知子さんの携帯電話に連絡していたことが分かっていた。

 県警によると、山口さんは十七日、知人と会うため外出していたといい、美知子さんへの電話は、外にいた山口さんが帰宅時間を知らせるためのものだったとみられる。

 県警は、先に美知子さんが自宅に戻り、山口さんが帰宅した後、夕食を取る前に襲われたとみている。ダイニングルームのテーブルに夕食用とみられるおかずが手付かずで残っていた。

 ダイニングの食器棚の引き出しが開いていたが、夫妻以外の指紋は検出されなかった。付近にあった二つの財布は札が入っていなかったが、血痕は付いておらず、犯人が触ったような形跡もないという。

 また警視庁の捜査で、東京都中野区の吉原健二よしはら・けんじさん(76)宅でも物色された跡や、奪われた物は確認されていない。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811230076.html