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2008年11月23日(日) 08時04分

【Re:社会部】現代のマンモス…産経新聞

 国の特別天然記念物のトキ10羽が放鳥されて2カ月になります。1羽は佐渡島から海を越えて新潟市周辺で確認され、意外な生命力に驚きました。

 日本のトキは5年前に絶滅。中国から贈られたつがいをもとに日中の協力で地道な繁殖を繰り返して100羽以上に増やした結果、野生に戻すことができたのです。順調なスタートにほっとした関係者も多いでしょう。

 そんな涙ぐましい努力も不要になるかもしれない研究成果が今月初めに発表され、注目を集めました。

 凍結死骸(しがい)から取り出した細胞の核を遺伝的に近い種に移植してクローンを作るというものです。マンモスの復活も夢ではないそうです。この方法が確立すれば、トキやニホンオオカミも剥製(はくせい)から再生することが可能になる日が来るかもしれません。

 しかし、そんな方法で絶滅種を復活させてどうするのでしょうか。マンモスは現代のどこに生きる場所があるのでしょうか。

 多くの絶滅動物は、人間活動の犠牲となって地球上から姿を消しました。それは人間の過ちとして忘れてはならないことです。

 まるで、コンピューターゲームで不都合になるとリセットするように、絶滅動物を再生できることに合点がいかないのは私だけでしょうか。(幸)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000070-san-soci