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2008年11月23日(日) 22時23分

グルジアやMD配備、米露の不一致確認…中南米でも対立読売新聞

 【リマ=黒瀬悦成】ブッシュ米大統領は22日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため訪問中のリマでロシアのメドベージェフ大統領と会談した。

 今年8月のロシアによるグルジア侵攻後、両首脳の直接会談は初めてで、ブッシュ大統領にとっては最後の米露会談。

 だが、懸案のミサイル防衛(MD)東欧配備問題やグルジア情勢での対立は解消できず、むしろ「米国の裏庭」である中南米でのロシアの権益拡大が、新たな対立材料としてクローズアップされる形となった。

 ブッシュ大統領は会談の冒頭、米露間で「立場を一致できない問題も存在するが、友好的な関係を築くため力を尽くしてきた」と強調した。しかし、ブッシュ氏は会談の直前、グルジアが民主化を果たした「バラ革命」5周年に合わせ、グルジアの主権尊重と領土保全を支持する声明を発表。ペリノ報道官は「単なる偶然」と述べたが、ロシアに対するけん制の思惑が込められていたのは明白だ。

 両大統領がグルジア問題などで「立場の不一致」を確認する一方、首脳会談の隠れた議題として注目されたのが、ロシアの中南米への進出問題だ。というのもロシアの動きは、米国によるグルジアやウクライナなど旧ソ連圏の「ロシアの裏庭」での影響力拡大に対抗する狙いもあるためだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000052-yom-int