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2008年11月23日(日) 20時50分

<元次官宅襲撃>小泉容疑者、嫌がらせ執拗に 工事で因縁毎日新聞

 小泉毅容疑者(46)はかつて、自宅アパート隣であった建築工事の音を巡り、埼玉県内の工事会社幹部の住所を割り出して押しかけ、大声を上げるなどの嫌がらせをしていた。警察官が出動する騒ぎになった。

 工事会社によると、03年秋ごろ分譲住宅の建築を始めた。小泉容疑者が幹部宅に押しかけたのは、04年3月29日午前0時50分ごろ。ミニバイクで幹部宅前に現れ、「出てこい」などと大声を上げ、バイクの警笛を数十分間鳴らし続けた。駆けつけた警察官の制止を無視して鳴らしたという。

 その12日前の17日未明には、幹部宅に電話をかけ「電話に出ろ。お前がおれに嫌がらせをする悪の根源か。ただじゃおかんからな」などと留守番電話に伝言を残した。これに先立つ03年12月上旬には、会社に乗り込んで工事中止を求め、「おれの生活を侵害している」などと30〜40分間、大声で怒鳴った。幹部らが工事は適切に進められていると説明すると、バイク用ヘルメットを机にたたきつけて立ち去ったという。

 その際、「おれの夢がどうなるんだ」などと、意味不明のことも訴えていた。別の同社幹部は「目的が分からなかった。どうやって自宅まで割り出したのか不思議だった」と首をかしげた。幹部宅は電話帳にも載せていないという。

 同社はトラブルに備え、留守番電話の内容を保存していた。【田中謙吉】

 ◇アパート隣人が次々転居

 小泉容疑者はアパートの隣人3人を自室に呼びつけ「うるさい音はお前だろ」と追及するなど、周囲とのトラブルが絶えなかった。

 アパート所有者の男性(55)らによると、小泉容疑者は深夜に部屋を歩き回ったり、外廊下でシャドーボクシングをするなど騒がしく、苦情が絶えなかった。入居者や来訪者を怒鳴りつけることも多く、男性は「見た目もこわいので入居者は言い返せず、年間3人が退去したこともある」と話した。

 入居したのは98年8月。保証人は父親だった。和室6畳2間と台所。6万円の家賃と2年ごとの更新料の滞納はなかった。「部屋にいて働いている様子がないのに、どこから収入を得ていたのか不思議だった」と男性。水回りの修理で部屋に入ったことがあり、「男の1人暮らしという感じはなく、女の人がいるように思えるほどきれいだった」とも話した。【堀智行、飼手勇介、宍戸護】

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