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2008年11月23日(日) 09時59分

産廃施設計画への反発広がる中国新聞

 広島市佐伯区五日市港3丁目に、広島県が整備を計画する産業廃棄物の海上積み出し施設に対し、住民の反発が広がっている。9年前に計画を策定しながら県が初の住民説明会を開いたのは今月8日。今後は地区単位に説明の場を設ける構えだが、県の対応に住民の不信感は強く、理解を得るのは容易ではなさそうだ。

 施設は、2010年度中に完成する産業廃棄物の出島処分場(広島市南区)に廃棄物を船で運ぶための拠点。本年度末で満杯になる五日市処分場近くの約1.2ヘクタールに来春着工し、11年度から10年間、主に県西部で出た廃棄物が集まる。

 「どうして住民に幅広く説明しないのか」。県が初の説明会を開いた8日、会場の五日市南小に集まった約60人の住民は怒りをあらわにした。県の担当者は「もっと早く説明すべきだった」と謝罪する一方、積み降ろしなどの作業はすべて建屋内で行う▽廃棄物を運び込むトラックの走行ルートを限定する—などの対策を説明。「できるだけ理解を得たい」と述べるにとどまった。

 県は今後、地区単位の説明会を開く方針。環境県民局の住吉龍彦廃棄物対策総括監は諸課題の解決を探るため「県と住民でつくる協議会を一刻も早く立ち上げたい」とするが、これまで説明責任を果たさなかったつけは大きく、難航が予想される。

【写真説明】広島県が来春の着工を目指す積み出し施設の予定地(点線で囲んだ区画)。対岸には学校や住宅が立ち並ぶ

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811230042.html