記事登録
2008年11月23日(日) 14時07分

山口さん宅周辺 あまりに理不尽…出頭男の稚拙さに新たな衝撃産経新聞

 小泉毅容疑者(46)の逮捕から一夜明けた23日朝、山口剛彦さん(66)の自宅周辺では、犯人逮捕への安堵(あんど)感と、卑劣な容疑者への怒りの声が聞かれた。

 殺害された山口さんの妻、美知子さん(61)と同じ書道クラブに所属していたという女性は、テレビの報道で男が出頭したことを知り「最初は事件が早く解決したことで安堵感を覚えたが、時間がたつごとに犯人への怒りに変わった」という。

 事件後に公民館の文化祭で美知子さんと一緒に撮った写真を見たといい、「すごく笑顔で写っていただけに、理不尽なことで亡くなったことが残念で…」と声を震わせ、目頭を押さえた。

 葬儀への出席は遺族の意向で行けないというが、「般若心経は極楽浄土へのつえとなると聞きます。書道クラブで般若心経を書いてあげたい」と話した。

 元自治会長の奥田芳郎さん(80)は「自首したというニュースを聞いて安心した、私たちも不安でしようがなかった。しかし、亡くなった人の命は帰ってこない。山口さんは、ゴミ置き場を決めるときにも率先して自宅の敷地を提供してくれるような人格者だった。それだけに犯人はなぜ、ああいうむちゃな行動をとったか、非常に情けない」と肩を落とした。

 近くに住む男性(77)も「ほっとしてます。凶器も見つかっていなかったので、逮捕までの数日、宅配便が来ても出るのが怖かった。妻とも夜出歩かないようにしようと話していた」と明かす。一方、別の男性(60)は「あまりに稚拙な犯人で驚いた。もっと政治的なものかと思っていた。こうなるとなおさら、誰が狙われてもおかしくなかった。逆に不安を感じます」と話した。

【関連記事】
【元厚生次官ら連続殺傷】19日に出頭決意? 過去に複数回、レンタカー利用の形跡も
【元厚生次官ら連続殺傷】山口さん夫妻の葬儀行われる 江利川厚労次官「一刻も早い全容解明を」
【元厚生次官ら連続殺傷】「犬死んで落ち込んだ」「反抗期なかった」…父親の一問一答
【元厚生次官ら連続殺傷】「ペット殺され腹立った」、中野事件の足跡と所持のスニーカー一致
【元厚生次官ら連続殺傷】小泉容疑者、10年ぶりに実家へ電話 父親「嫁さんもろうたんか」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000538-san-soci