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2008年11月23日(日) 12時58分

「犬死んで落ち込んだ」「反抗期なかった」…小泉容疑者 父親の一問一答産経新聞

 元厚生事務次官ら連続殺傷事件で、警視庁に出頭して銃刀法違反の疑いで逮捕されたさいたま市北区東大成町の小泉毅容疑者(46)の山口県柳井市に住む父親(77)は、取材に「(被害者と)私の命を交換したい」と心中を吐露した。

 父親によると、家族は母(71)、妹(44)の4人。「毅」という名前は、5・15事件で、首相で昭和7年に暗殺された犬養毅のような真っ直ぐな人物になってほしいとのことから名づけられたという。

 柳井市立柳井中学校、県立柳井高校を卒業後、佐賀大学理工学部電子工学科に入学。2年時に留年したあと中退。その際、教授に紹介してもらった東京のコンピューターソフト開発会社に就職。しかし数年で退職、その後は2〜5年周期で職を転々としていたという。その間「横浜で宅配業のアルバイトをしている。元気でやっているから心配するな」という内容の電話があったのを覚えているという。

 取材での詳細は次の通り。

 −−息子さんが犯人と知ったのはいつ

 「22日の夜10時ごろのニュースです。テレビに息子の名前と顔が出ていました。目つきが鋭くなっていたように感じました」

 −−どう思われましたか

 「何て大それた事をしたんだと。父親として、どうお詫びをすればいいのか言葉が見つからない。尊い命を2つも奪ってしまい、できることならば私の命と交換したい。息子にはきちんと責任をとり、しっかりと謝罪してほしい。腹を切れと言いたい」

 −−息子さんと最後に連絡したのは

 「22日の夕方5時ごろに電話があった。それまで音信不通で、約10年ぶりに声を聞いた。『明日の昼ごろに手紙が届くから読んでくれ』と言っていた。おかしいなとは思ったが、久しぶりに話せたうれしさもあって深くは聞かず、『わかった』と言って電話を切った。全く変わった様子はなく、普段通りの声だった」

 −−どんなお子さんでしたか

 「普通の子。人を殺すなんてできるような子じゃない。子供の時にもらってきて5年ほど飼ってきた犬(白色・雑種)が死んだとき、ひどく落ちこんで墓を作ってやったり、中学生の時に友達の1人が自転車を持っていて、『お前も自転車ほしいか?』ときいたら、家計のことを考えたのか、『いらない』というような優しい子だった」

 「活発で明るい子だった。うちが15年前まで駄菓子屋をやっていたので、よく遊びに来ていた友達と遅くまで一緒に走り回っていた。反抗期らしい時期もなく、母親の作った弁当に文句を言う程度。小学生の時から運動はあまり得意ではなく、部活などはしていなかった。高校の時は将棋部。昔から数学が好きで、高校の時は帰ってきたら一日中数学の勉強をしていた」

 −−思想的に傾倒していたものなどは

 「何もない。宗教雑誌などを読んでいるところは見たことがない。暴力や偏った思想は嫌いだと、高校生くらいの時に言っていた」

 −−将来の夢は?

 「コンピューター関係の仕事に就きたいと言っていた」

 −−最近の様子は

 「15年ほど前に稼業のアイスクリーム卸業を継がせるつもりで、山口に戻ってこさせ、県内の大手アイスクリーム卸売業の会社に修行に行かせた。会社の近くにアパートに1人住まいで、雑用もまじめにこなしていたようだ。2、3年修業していたが、修業中にネットで見つけたという埼玉県内のコンピューター系の会社に就職すると言って埼玉県に行った」

 −−その時の会話は

 「『気に入った会社があった。今の世の中じゃ商売をするのも難しいと思う。俺が店を継いでも共倒れになる』というので、『わかった。頑張ってこい』と励ました。寂しくもあったが、仕方ないと思った。それ以来、約10年間は音信不通。電話をしてもいつも留守番電話で折り返しはなし。手紙を出しても返事は来ない状態だった」

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