2008年11月23日(日) 08時03分

警官に「小泉毅、４６歳」　元厚生次官ら連続殺傷　男出頭、車に段ボール箱も（産経新聞）

　「おれが事務次官を殺した」−。元厚生次官ら連続殺傷事件で２２日夜、「４６歳」の男が、埼玉県の川越ナンバーのレンタカーで、皇居近くの警視庁本部に乗り付けた。血痕がついた刃渡り約２０センチの刃物やスニーカーなどを持って、出頭してきた。その後の調べにも淡々と応じているという。警視庁は男が一連の事件に関与したとみて、追及する。歴代の元厚生官僚トップと家族を狙ったのはなぜか。発覚から４日、事件は急展開を迎えた。

【写真で見る】　元厚生次官ら連続殺傷事件

　「事務次官を殺した」。２２日午後９時２０分ごろ、東京・霞が関の警視庁本部に軽乗用車で乗り付け、取り囲んだ警察官に言い放った。男は「さいたま市北区の小泉毅（つよし）、４６歳」と名乗った。血のついたサバイバルナイフにスニーカー、後部座席には段ボール箱があった。

　中野区で吉原健二さん（７６）の妻、靖子さん（７２）を襲撃した男も、宅配業者を装って、自宅ドアを開けさせた際、「男は大きな箱を抱えていた」と、靖子さんが証言していた。男がナイフや段ボールなどを持って出頭してきたことから、警視庁は、男が元厚生次官宅の連続殺傷に関与した疑いが強いとみている。

　車の助手席には無造作に置かれたポリ袋や黒のリュックサックがあった。スニーカーは袋に入れられ、足元に置かれていた。

　男の車はピンク色の軽自動車で、川越ナンバーのレンタカー。警視庁本部の正面玄関前の歩道に突っ込むような形で停車した。けたたましいサイレンの音が、週末で人影がまばらな霞が関に鳴り響く。すぐさま機動隊のバスやパトカー、白バイが集結し、車を取り囲むように配置された。歩道には規制線のテープが貼られ、車を中心に約１００メートルの長さにわたって立ち入り禁止になった。

　車は車両左側のドアが２つとも開いた状態だった。後部座席には粘着テープで閉じられた段ボール箱２箱が置かれていた。すぐにブルーシートがかけられ、資材を持った３０〜４０人の警察官がライトを照らすなどして車内を入念に調べた。

　歩道脇の石垣に上って写真を撮影しようとするカメラマンに警察官が「降りて、降りて」と制止するなど現場は物々しい雰囲気に。車は午後１１時８分ごろ、正面玄関前からレッカー車で移動された。

　ジョギングで通りかかった会社員女性（２５）は物々しい雰囲気に驚いた様子。「本当に犯人かどうか分からないが、なぜこんなことをしたのか解明してほしい」と話した。

　男は警視庁本部から近くの麹町署に連行された。男は帽子にジャンパー、ジーパン姿だったという。出頭の一報に、麹町署には報道陣５０人以上が集まり、ごった返した。署から出てきた警視庁の警備部幹部は「男が犯人かどうかはまだ分からない。（厚生労働省の関係者らに対して）続けている警備は継続する」と言葉少なに話した。

【関連記事】
・ 「俺が次官を殺した」出頭の男を銃刀法違反で逮捕　殺傷事件の裏づけ急ぐ
・ 【元厚生次官ら連続殺傷】「小泉毅」近所でも有名な“クレーマー”
・ 出頭の男　血のナイフ所持　元厚生次官連続殺傷事件との関連捜査
・ 【元厚生次官ら連続殺傷】「死んだ人戻らない」　厚労省、対応に追われる
・ 【元厚生次官ら連続殺傷】事件との関連は？　捜査１課長「焦らないでください」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000069-san-soci