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2008年11月23日(日) 07時45分

出頭の男を銃刀法違反容疑で逮捕産経新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、警視庁は23日未明、銃刀法違反容疑で、「おれが元事務次官を殺した」と出頭したさいたま市北区、無職、小泉毅(たけし)容疑者(46)を逮捕した。小泉容疑者は出頭時、血の付いたナイフやスニーカー、段ボール箱を所持。供述や所持品が連続殺傷事件の犯行状況と一致することから、警視庁は小泉容疑者が連続殺傷事件の犯人との見方を強め、今後殺人容疑などでも追及する方針。

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 小泉容疑者は調べにナイフについて「自分の物で間違いない」と供述している。

 調べでは、小泉容疑者は22日午後9時20分ごろ、東京・霞が関の警視庁本部に、軽乗用車のレンタカーで乗り付け、警備していた機動隊員に「おれが事務次官を殺した」と話した。その際、車の中には血の付いた全長33センチ、刃渡り20センチのナイフなど刃物8本が見つかった。血の付いた刃物は2本だった。血の付いたスニーカーもあった。また、後部座席には段ボール箱が2個置かれていた。住民票と免許証を持参していた。

 元厚生次官ら連続殺傷事件は、18日午前10時15分ごろ、さいたま市南区の山口剛彦さん(66)夫妻が自宅玄関で血まみれで倒れて死亡しているのが見つかり、発覚した。

 山口さんは心臓や右脇腹など6カ所、妻の美知子さん(61)は胸など2カ所を刺されて死亡していた。山口さん夫妻の携帯電話の発着信履歴が17日午後5時51分ごろ▽自宅ダイニングテーブルに夕食が並べられ、山口さんの胃の残留物がほとんどない▽山口さん宅近くの住民が「17日午後6時半から6時50分ごろに山口さん宅から叫び声が聞こえた」と証言した−ことなどから、犯行は同日午後6時台とみられる。

 玄関には山口さんの印鑑が落ちており、犯人は宅配便を装って、美知子さんにドアを開けさせたとみられる。

 山口さん夫妻発見から約8時間後の18日午後6時半ごろには吉原さん宅で、靖子さんが男に刃物で刺され、自宅前で倒れているところを通行中の専門学校生(27)に発見された。靖子さんは胸や背中の右部分など数カ所を刺されて重傷。

 靖子さんは警視庁の事情聴取に「宅配便を装った犯人にいきなり刺された。30〜40歳ぐらいで、身長約165センチ。野球帽か作業用帽子をかぶり、作業着姿だった」と説明していた。

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