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2008年11月23日(日) 06時03分

車内に段ボール!出頭男に“物証”…元厚生次官ら連続殺傷事件スポーツ報知

 元厚生次官ら連続殺傷事件で22日、血の付いたナイフを持った男が警視庁に乗り付けた。車内には8本のサバイバルナイフと段ボール、スニーカー…。「次官を殺した」との供述や所持品からは、さいたま市と東京都中野区で起きた連続殺傷事件との共通点も浮かぶ。旧厚生省の歴代トップを狙ったとみられる残虐な事件との関連は—。発覚から5日目、事件は急展開を迎えた。

 これまでの捜査で、殺害された山口剛彦さん(66)と妻・美知子さん(61)=さいたま市=は、胸を数か所刺されていたことが判明。山口さんの傷は心臓に届くものもあった。吉原健二さん(76)=東京都中野区=の妻・靖子さん(72)も胸や背中を刺され、肺の表面に達する傷もあり重傷を負った。

 出頭した男と事件との関連をうかがわせる「物証」も多い。最も大きな類似点は、車に段ボールを積んでいる点だ。山口さんと吉原さん宅の襲撃犯は宅配業者を装い、玄関が開いた瞬間、いきなり刺す手口。体が隠れるほどの段ボールを所持していた。

 室内の血痕や土足痕などから、犯人は山口さん宅ではほかに家族がいないか、吉原さん宅では吉原さんを捜し回ったとみられ、強い残虐性をうかがわせる。

 犯行には刃物が使われたとみられており、出頭した男の車内からはサバイバルナイフ8本が見つかり、うち2本に血が付着していた。両方の現場では靴底の種類が違うスニーカーの足跡が見つかり、その点も男の所持品と共通する。

 出頭した男の身長が約165センチという点も吉原靖子さんの警視庁への説明と一致。事件現場付近では不審な黒いワンボックスカーが目撃されているが、出頭した男が乗っていたのは軽乗用車で、川越ナンバーのレンタカーだった。川越ナンバーも、さいたま市の事件と関連をうかがわせる。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081123-OHT1T00073.htm