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2008年11月22日(土) 00時27分

自民中堅・若手「2次補正の今国会提出を」 “反麻生グループ”か産経新聞

 自民党の塩崎恭久元官房長官、渡辺喜美元行革担当相、茂木敏充前行革担当相ら同党中堅・若手の有志議員グループ「速やかな政策実現を求める有志議員の会」(衆参24人)の代表は21日、国会内で河村建夫官房長官と面会し、平成20年度第2次補正予算案の今国会への提出を申し入れた。政府・与党は2次補正の今国会提出は見送り、来年1月召集の通常国会へ提出する方針。首相の失言への批判はこれまでも党内にあったが、今回の動きは、初めて組織的に政権の方針に異を唱えたものだ。有志議員らは否定するが「反麻生グループの結成か」との見方も出ており、首相に近い党幹部は神経をとがらせている。

 首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席で外遊中であるため、河村氏が応対した。有志議員は“けんか腰”だった。

 茂木氏 「首相は『まずは景気』といっている。国民が求めているのは一日も早い景気対策の推進だ。2次補正を速やかに今国会に出してほしい」

 河村氏 「首相に伝える。ただ、民主党が協力する担保がない」

 渡辺氏 「『政局よりも政策だ』と首相もおっしゃってる。国会対策上の理由で出せないなんて、国民は理解してくれない」

 こう詰め寄る有志議員らに、温厚な河村氏は「麻生政権の足を引っ張っているように見る人もいるから気を付けよう」と語るのが精いっぱいで、会談はすれ違いに終わった。

 麻生首相は定額給付金で予想外の批判を浴び、民主党からも「選挙をしないなら今国会に2次補正を出せ」(小沢一郎代表)と攻撃されている。内閣支持率が漸減する中で、地元での厳しい空気を感じる自民党議員の間には「結果の出ない政治」(有志議員グループの申し入れ書)への不満が出ている。

 有志議員グループには9月の自民党総裁選で麻生首相を推した議員もいるが、中心メンバーは麻生首相以外の石原伸晃幹事長代理や小池百合子元防衛相を推した面々だ。メンバーの1人は「麻生降ろしが動機の者もいるし、穏健なのもいるごった煮だ」と語る。

 「麻生ブランドで戦う衆院選に不安を覚えたスタンドプレーだ」(閣僚経験者)との見方もあるが、首相に近い党幹部は「麻生降ろしをするヤツは公認しない」と言い放った。

 渡辺氏は河村氏への申し入れ後、記者団にこうまくしたてた。

 「解散だけでなく政策も先送りして景気悪化に手をこまねいているのか。われわれの動きは広がると思いますよ」

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