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2008年11月22日(土) 08時03分

自民が公選法改正案 供託金下げ→共産擁立増→民主得票減産経新聞

 自民党の選挙制度調査会(村田吉隆会長)は21日、党本部で総会を開き、衆参両院選挙の立候補に必要な供託金と、供託金が没収される基準(得票率)をそれぞれ大幅に引き下げる公職選挙法改正案を了承した。野党にも共同提案を呼びかけ、今国会に議員立法で提出する方針だ。ただ、この改正案は供託金没収に悩む共産党の擁立候補を増やし、民主党へ流れる票を減らすねらいがあり、標的とされた民主党は改正に反対している。

 共産党は従来、衆院選で原則300選挙区すべてに候補者を立て、多額の供託金を没収され、党の財政が圧迫されていた。このため同党は方針転換し、次期衆院選の選挙区候補は140人程度へ絞り込む方針。共産党空白区となる残りの選挙区では、共産票のかなりの部分が民主党候補へ流れるとみられている。

 立候補の際に納付する供託金は売名行為を目的とした候補者の乱立を防ぐことがもともとの目的。改正案は供託金を衆参両院とも選挙区は現行の300万円から200万円へ、比例代表は600万円を400万円へそれぞれ減額する。

 さらに供託金没収の基準となる得票率も緩和する。衆院選挙区が有効投票総数の「10分の1」を「20分の1」へ、参院選挙区は有効投票総数を定数で割った値の「8分の1」だったのを「16分の1」へそれぞれ引き下げる。

 民主党は猛反発している。同党の鳩山由紀夫幹事長は21日の記者会見で「民主党に対して極めて党利党略の発想を感じる。公選法の改悪に応じるわけにいかない」と反対を表明。さらに「衆院選が年末年始にあるとの思いもある。遅くても来年の9月だ。こんなギリギリの状況で供託金を下げる案には賛成しかねる」と述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081122-00000017-san-pol