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2008年11月22日(土) 00時00分

「音楽で頑張りたい」 口元引き締め小室被告中国新聞

 繰り返し頭を下げるたびに、金色の長い髪がなびいた。「できれば音楽で頑張りたい」。二十一日、詐欺罪で起訴され、十七日ぶりに保釈された音楽プロデューサー小室哲哉こむろ・てつや被告(49)は、無数のフラッシュが光る中、はっきりとした声で謝罪した。口元を引き締めた表情に、逮捕時に漂っていた青白い悲愴ひそう感はなかった。

 午後六時半すぎ、大阪市都島区の大阪拘置所。身の回りの品が入ったボストンバッグと、差し入れが詰まったとみられる段ボール三箱の荷物がまず運び出された。続いて小室被告が現れた。

 逮捕された四日は白いTシャツと黒のパーカー姿だったが、この日は黒いタートルネックのセーターにジーンズとすっかり冬の装いに。アクセサリーはない。

 背中を少し丸め、弾むような歩き方で約二百人の報道陣らに歩み寄った。両ひざの横に手をやり、何度も何度も頭を下げた。「ご迷惑をかけ、お騒がせして申し訳ありません」。深く腰を折った。「これからできることなら、また音楽で頑張っていきたいと思います」と決意を述べた。

 取り囲むように集まった近くの住民らにも何度も同じせりふを繰り返した。「頑張れよ」の声が遠くからかかると、一瞬ほほ笑み、黒いワンボックスの車に乗って立ち去った。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811220079.html