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2008年11月22日(土) 00時00分

工水確保へ県が人工雨実験中国新聞

 周南市の石油コンビナートの慢性的な水不足を少しでも打開しようと、山口県企業局は年内にも、九州大と共同で初の人工降雨実験をする。萩市沖の雲に軽飛行機から氷点下の液体炭酸をまき、雨を誘発する仕組み。福岡県などで成功例があり実用化に取り組む。

 企業局によると、12月下旬から来年3月上旬の間で、萩市沖に雲があり、南東方向の季節風が吹くなどの気象条件を満たす日を選んで2回実施。軽飛行機を飛ばし、30—40キロにわたり雲の中にマイナス90度の液体炭酸を散布する。これにより、雲の水蒸気が氷点下に冷え、次第に氷の結晶に変化。1時間ほど風に吹かれて周南市北部の菅野ダムの流域に移動するころに、重みを増した氷が落下を始め、大気の温度で溶けて雨になると見込む。

 実験は、福岡市沖で6回の人工降雨を実験し、5回成功した九州大大学院工学研究院の西山浩司助教と共同で300万円かけて行う。21日現在の貯水率は56%で、19社と市でつくる周南地区工水利用者協議会は50%の自主節水に踏み切っている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811220024.html