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2008年11月22日(土) 00時00分

福祉医療費一部負担も 山口中国新聞

 重い障害のある人や所得の低い母子家庭などを対象に、医療費の自己負担分を山口県と市町が全額補助する制度について、県が来年度から本人負担を求める方向で検討していることが20日、分かった。県は「財政が厳しい中、制度を安定的に存続させるため」と理解を求めるが、困惑する市町も少なくない。

 この制度は「福祉医療費助成制度」で、重度心身障害者▽母子家庭の母子・父母のいない児童▽小学校入学前の幼児—が対象。医療費の自己負担分の全額を県と市町が折半で助成。本年度は計約12万人が利用している。

 昨年度の県負担額は41億8300万円。高齢化などに伴い、年6000万—7000万円ずつ県負担額が増える見通し。このため、一医療機関あたり月額で数百円—1000円程度の本人負担の導入を検討。10月から市町の担当者を集めた説明会を2、3回開き、協議している。

 小学生までの医療費無料化に踏み切った岩国市は「本人負担が必要になれば、市が独自財源を確保しないといけない。すぐの導入には反対」。高齢化が進む周防大島町も「現状維持」を求める。

 ただ、「医療費が無料のままでは、安易に受診する人も出かねない。医師の負担軽減の観点からも、本人負担に意義はある」という山口市のように、前向きに受け止める自治体もある。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811220009.html