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2008年11月22日(土) 00時15分

静岡会社役員死体遺棄 被害者、株トラブルも産経新聞

 静岡県富士市の山林で平成18年10月、東京都江戸川区の元運送会社役員、栩野(とちの)雅晴さん=当時(66)=の遺体が見つかった事件で、上司の社長が栩野さんに会社の株数十%を譲渡すると約束しトラブルになっていたことが21日、警視庁捜査1課の調べで分かった。

 捜査1課は社長が栩野さんを強盗団に襲われたように見せかけて殺害することを画策したと判断。死体遺棄容疑で、社長の寺岡誠吉容疑者(71)ら6人を逮捕、小松川署に静岡県警との合同捜査本部を設置した。

 ほかに逮捕されたのは、実行犯リーダーの指定暴力団山口組系元暴力団幹部、野崎稔被告(51)=強盗罪などで起訴=や仲介役の山口組系関係者、喰田(しよくた)康裕被告(41)=出入国管理法違反罪で起訴=ら。寺岡容疑者は「事件について何も思い浮かばない。少し時間がほしい」と供述しているという。

 調べでは、栩野さんは10年以上前から寺岡容疑者と投機目的の不動産取引を行い、多額の利益を上げていた。寺岡容疑者は見返りに16年に役員で迎え、栩野さんに会社の発行株式の数十%を譲渡する約束をしたが、実際には譲渡されず、トラブルになっていた。

 実行犯の野崎容疑者らと栩野さんに面識がないため、捜査本部で栩野さん周辺のトラブルを洗い出したところ、失踪(しつそう)直前にも寺岡容疑者と不動産取引をめぐって激しく対立していたことが判明。寺岡容疑者が喰田容疑者らを通じ、野崎容疑者に殺害を依頼したとみて6人を殺人容疑で再逮捕し、全容解明を進める。

 調べでは、寺岡容疑者らは18年9月7日ごろ、栩野さんの遺体を富士山麓(さんろく)の山林に捨てた疑い。栩野さんは同日、都内の法律事務所を訪れた後に行方不明になっていた。

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