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2008年11月22日(土) 03時00分

北朝鮮への送金・輸出全面禁止、自民拉致特委が追加制裁案読売新聞

 自民党の拉致問題対策特命委員会(古屋圭司委員長)が検討している対北朝鮮の追加制裁リストの全容が21日、明らかになった。

 日本からの送金・輸出の全面禁止や北朝鮮に関係する船舶の入港禁止などが柱だ。今後、党内で議論を重ねて成案を得て、政府に実行を求める。

 リストには、金融制裁として〈1〉北朝鮮と取引する外国金融機関と日本の金融機関の取引禁止〈2〉北朝鮮及び関係団体の資産凍結−−などが盛り込まれた。ミサイルや大量破壊兵器の計画に関連した15団体・1個人への送金を禁じている現行の制裁を、大幅に拡充するものだ。

 北朝鮮がチャーターした船舶や北朝鮮に寄港した船舶などの入港も全面的に禁止する。現行の制裁では、北朝鮮籍船の入港だけを禁じているため、「抜け道が多く、実効性に疑問がある」との指摘が出ていた。

 また、政府が制裁を解除する際は、国会に事前通告を義務づける。北朝鮮人権法も改正し、拉致問題が進展しない限り、北朝鮮への「国際開発金融機関」による支援を阻止すべく、政府に努力義務を課す。

 事前通告の義務づけなどは法整備が必要になるため、特命委では引き続き詳細な検討を進める。

 拉致問題で北朝鮮は、被害者の再調査に着手しないなど誠実な対応をとっていない。追加制裁は「ヒト・モノ・カネ」の流れを一層制限することで、北朝鮮への圧力を強める狙いがある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081122-00000006-yom-pol