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2008年11月22日(土) 02時31分

<元次官宅襲撃>靴は国内量産品か…東南アジア製の底 埼玉毎日新聞

 元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、殺害された山口剛彦さん(66)夫婦のさいたま市の自宅周辺で見つかった足跡の靴底は、国内で大量生産されているスニーカー(運動靴)である可能性が高いことが分かった。サイズは25〜26センチだが、東京・中野の事件で採取された靴底とは模様が異なっていた。捜査本部は山口さん方で多量の血液を踏んで汚れたため履き替えた可能性もあるとみている。

 調べでは、採取した足跡を鑑定したところ、波形模様が東南アジアで製造されている靴底と酷似していた。この靴底は、少なくとも国内の小規模メーカー1社が仕入れ、数種類の靴として量産していることが分かった。比較的安価で全国の量販店で売られているという。捜査本部は、他にも同じ靴底を仕入れているメーカーがないか確認を急ぐとともに、流通ルートの割り出しを進めている。

 また、犯人は山口さん夫婦を殺害後、少なくとも約150メートル先まで徒歩で逃げた可能性のあることも分かった。調べでは、路上に残った足跡や血液反応から、犯人は山口さん方前の道路を北西へ向かい、三差路で南西へ左折していた。血液反応は左折した先の約60メートル地点で確認できなくなったが、警察犬は、そこからさらに約90メートル先の駐車場前まで臭気を追った。

 捜査本部は、犯人が駐車場からさらに南方に逃走した。付近まできた犯人が、駐車場か路上に止めていた車で逃げた可能性があるとみて、駐車場所有者や周辺住民らに不審な車や人物を見かけなかったか重点的な聞き込み捜査をしている。

 付近の路上では、事件約2時間半前の17日午後4時ごろ、帰宅中の近くの高校生(17)が見慣れない黒いセダンタイプの車がエンジンを止めて駐車しているのを目撃している。

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