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2008年11月22日(土) 02時30分

<内閣人事局>見送り 来年度予算、省内調整進まず毎日新聞

 政府は21日、各府省の幹部人事の一元化を担う「内閣人事局」の来年度設置を見送る方針を固めた。国家公務員制度改革推進本部顧問会議(座長・御手洗冨士夫日本経団連会長)は、人事院や総務省などの人事関連機能を移管するよう求める報告書をまとめたが、省庁間の調整も済んでいないため、新組織の定員も固まらず、年末の予算編成で要求するのは困難と判断した。設置までのスケジュールを改めて定める「行程表」は今年度中に閣議決定する見通し。

 内閣人事局設置の目玉は、各省の縦割り主義を是正するために官房長官が幹部人事を統括する点にある。6月に施行された国家公務員制度改革基本法は「1年以内の法制上の措置」を求めている。しかし、福田康夫前首相の辞任や早期の衆院解散・総選挙をめぐる動きなどで、具体的な制度設計作業が停滞していた。

 その後、衆院選の先送りが強まったことを受け、今月上旬から、顧問会議に置かれたワーキンググループ(WG、主査・桜井正光経済同友会代表幹事)が集中審議を開始。4省にまたがる人事関連機能の内閣人事局への移管を求めた原案を作成したが、予算要求に必要な細かな制度設計がまとまらず、時間的遅れが響いた形となった。

 一方、報告書を審査した自民党の部会でも公務員改革推進派から、「議論が拙速なままで設置を急ぐべきではない」(渡辺喜美元行政改革担当相)として、内閣人事局の権限などの議論が不十分なままでは、反対派の官僚によって骨抜きになると懸念する声が出ていた。

 甘利明行革担当相は今後、人事院や財務省など関係省庁との折衝をし、設置に向けた「行程表」を策定する。今年度中に閣議決定する方針だが、関係省庁は人事を移管することに強く反対しており、調整の難航も予想される。【塙和也】

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