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2008年11月22日(土) 11時01分

犯人、吉原元次官捜し回る?…元厚生次官ら連続殺傷事件スポーツ報知

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、東京都中野区の吉原健二さん(76)宅の玄関で妻靖子さん(72)を刺した犯人の男は、吉原さん宅に上がり込み、室内に逃げた靖子さんを追いかけずに吉原さんを捜し回ったとみられることが22日、警視庁の調べで分かった。

 警視庁が靖子さんの血痕や犯人の土足の跡を詳細に分析したところ、玄関から奥に続く廊下まで2人は同じ動きだったが、途中から枝分かれしていたという。警視庁は室内に侵入した犯人が、靖子さんを殺害することより、吉原さんの襲撃を目的に動き回ったとみている。

 靖子さんは警視庁の事情聴取に「気付いたときには、犯人はいなかった」と説明。犯人が先に家から出た後、靖子さんは外に逃げ出し、助けを求めたとみられる。

 警視庁などによると、18日の事件当時、自宅にいたのは靖子さんだけ。吉原さんは都内でクラス会に出席し、無事だった。普段は犯行時間帯の午後6時半ごろは夫婦で食事し、ほとんど家にいるという。

 犯人が吉原さんの生活を事前に下見した上、事件当日も在宅していると思い込んで犯行に及んだ可能性が高く、警視庁は不審な人物や不審者の目撃情報がないか周辺の聞き込み捜査を進める。

 また、警視庁の現場検証で、2階には犯人の土足の跡がなかったことも判明。犯人は1階で吉原さんを捜した後、発見できなかったため逃走した可能性が高い。

 靖子さんは「犯人は年齢30—40歳ぐらいで身長約165センチ。玄関で対応した際にいきなり刺された」と証言。警視庁はさらに事情を聴き、詳しい犯行状況を把握する。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081122-OHT1T00139.htm