記事登録
2008年11月22日(土) 21時13分

首相の「信用できない」に民主猛反発…国会、越年も読売新聞

 ペルー訪問中の麻生首相が記者団に対し、民主党の小沢代表への強い不信感を示したことに、民主党は猛反発している。国会は与野党対決が鮮明になり、2年連続の「越年国会」となる可能性もある。

 首相によると、17日の党首会談で、小沢氏は2008年度第2次補正予算案の審議に協力すると約束し、守らなければ「(議員を)辞める」と述べたという。しかし、小沢氏が否定したため、信用できないというわけだ。自民党幹部は22日、「民主党はこれまで(先の通常国会での)議長あっせんさえ守らなかった。首相は、そういうことも含めて小沢氏への不信感を語ったのではないか」と指摘した。

 政府・与党は補正予算案の提出は、来年1月召集の通常国会に先送りする方針だ。首相が「景気優先」を掲げながら、先送りするのは、補正の柱である定額給付金をめぐる迷走が理由だ。小沢氏はこの矛盾を突き「補正を出せばいい」と、硬軟両様で揺さぶりをかけたというのが党首会談の図式だった。

 今回、首相が小沢氏に「絶縁状」を突きつけたことで、与党内には「対決姿勢を明確にした方がやりやすい。民主党を交渉相手と思う方がおかしい」(参院自民党幹部)との声もある。

 一方、民主党からは、首相批判が噴き出した。小沢氏は22日、福島県郡山市で記者団に、今回の首相発言について「あまりにレベルの低い話だ」と指摘した。党首会談のやり取りについては「『党首としての責任を取る』と言ったのであって議員辞職するとは言っていない」と説明。さらに、「首相の延命のために衆院選を引き延ばすのは不可能だ」とも強調した。

 鳩山幹事長は大分県中津市で記者団に「国会を延長して、越年になっても補正予算案も出さない。卑怯(ひきょう)じゃないか」と指摘。菅代表代行はテレビ東京の番組で「麻生政権は終わった」と語った。

 25日には自民、民主両党の幹事長・国対委員長会談が行われ、自民党は補正先送りを正式に伝える。

 政府・与党が重視する新テロ対策特別措置法改正案は、12月20日以降は「参院送付後60日経過すれば参院が否決したとみなすことができる」とする憲法の規定に基づき、衆院で再可決が可能となる。金融機能強化法改正案が再可決可能となるのは来年1月5日以降だ。与党は30日までの会期を12月下旬まで25日間程度延長し、民主党が軟化しなければ来年1月上旬まで再延長することを検討しているが、最初から来年1月上旬まで延長する案も出ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081122-00000050-yom-pol