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2008年11月22日(土) 10時33分

景気判断を下方修正 月例報告、世界経済減速で輸出減中国新聞

 政府は二十一日、十一月の月例経済報告で景気の基調判断を二カ月連続で下方修正した。「弱まっている」としていた基調判断に「世界経済が一段と減速するなかで、下押し圧力が急速に高まっている」という文言を加えた。

 米国発の金融危機に端を発した世界経済の悪化を受け、日本経済の足元では自動車や家電製品の輸出が減少していると分析。企業の業績低迷や雇用不安が個人消費に影響を与えることで、先行きについては「景気の状況がさらに厳しいものとなるリスクが存在することに留意が必要だ」と指摘した。

 下方修正は今年に入って六回目で、米ITバブル崩壊などの影響を受けた二〇〇一年(九回)以来の頻度となった。内閣府は「(国内景気は)急速に変化している」としており、十二月の基調判断も下方修正する可能性がある。

 与謝野馨経済財政担当相は二十一日に開いた月例経済報告の関係閣僚会議終了後に記者会見し「日本だけでなく、欧米や新興国の世界経済全体が下向きになっている」と述べた。

 個別項目では、輸出の判断を「緩やかに減少している」から「減少している」に、二カ月連続で下方修正。個人消費や設備投資の判断は据え置いた。雇用は、九月の有効求人倍率が〇・八四倍と四年一カ月ぶりの低水準となったことなどを受け「悪化しつつある」とした。世界経済の判断は「減速」から「欧米は後退、アジアでも減速の動き」に三カ月連続で下方修正。欧州は二カ月ぶり、アジアは二カ月連続でそれぞれ下方修正した。

 政府は毎月、月例経済報告で景気に対する公式見解を示している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811220080.html