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2008年11月21日(金) 21時15分

朝日新聞100億円赤字に転落 広告大幅落ち込み、部数も減少J-CASTニュース

 朝日新聞社が、半期ベース(連結)で100億円以上の赤字に転落したことがわかった。単体ベースでみても売り上げが約142億円減少しており、販売・広告収入の落ち込みが裏付けられた形だ。新聞業界では「比較的勝ち組」とも言われる朝日新聞でさえ、苦境に立たされていることが浮き彫りになった。ほかの大手の新聞社の決算も悪化するのは確実だ。

■広告・販売とも、収入は「右肩下がり」

 朝日新聞社(大阪市)は2008年11月21日、子会社のテレビ朝日(東京都港区)と朝日放送(大阪市)を通じて08年9月中間期(08年4月〜9月)の連結決算を発表した。単体ベースの決算もあわせて発表されており、それによると、前年同期には1857億6900万円あった売上高が、7.7%減の1715億3200万円にまで減少。営業利益は前年同期が42億1800万円の黒字だったものが32億3000万円の赤字に転落している。純利益は同92.6%減の2億5300万円だった。

 新聞各社の経営状態をめぐっては、広告・販売とも、収入は「右肩下がり」の状況が続いており、先行きが見えない情勢だ。今回の朝日の決算でも、売上高は約142億円も落ち込んでおり、そのかなりの分が広告収入の落ち込みによるものとみられ、関係者からは「前年比、通年ベースで広告だけで200億円近くは落ち込むのでは」との声も根強い。さらに、このところ部数も徐々に落ち込んでおり、ダブルパンチで売り上げが減る形だ。

■連結ベースでも大幅赤字

 朝日新聞社は、不動産を大量に所有し、財務体質がいいことから「新聞業界の中では比較的勝ち組」と言われてきたが、11月20日発売の会員制経済誌「ザ・ファクタ」08年12月号が

  「2009年3月期、創業130周年にして初の営業赤字転落という憂き目にあう」

などと大々的に報じており、通年ベースでも赤字転落が確実な情勢だ。

 一方、連結ベースでは、売上高は前年同期比4.4%減の2698億7100万円、営業利益は前年同期74億4800万円だったものが5億400万円の赤字に転落。中間純利益に至っては、同47億6300万円の黒字だったものが、実に103億2500万円の赤字を記録している。

 項目別にみていくと、「持分法による投資利益」が21億7300万円から6億100万円に激減しているほか、営業外費用として寄付金を50億1300万円を計上しているのが目立つ。さらに、特別損失として投資有価証券売却損44億6900万円を計上してもいる。


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