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2008年11月20日(木) 14時36分

元次官宅襲撃、足跡2件とも運動靴…底の模様異なる読売新聞

吉原元次官の妻が刺された現場付近(青いシート)を気にしながら、学校へ向かう児童ら(20日午前)=吉岡毅撮影

 元厚生次官宅襲撃事件で、東京都中野区の吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)が刃物で刺された現場付近に残っていた足跡と、さいたま市の山口剛彦さん(66)夫妻が遺体で見つかった現場の足跡は、いずれもスニーカータイプの運動靴だったことが警視庁と埼玉県警の調べでわかった。

 ただ二つの靴底の模様は異なっており、靴は別々の種類だった。両事件について関連性が高いとみている警視庁と埼玉県警は、犯人が山口さん夫妻を殺害した際、返り血で汚れたスニーカーを履き替えた可能性もあるとして二つの靴の流通ルートの特定を急いでいる。

 捜査関係者によると、18日午後6時30分すぎ、中野区上鷺宮の吉原さん宅で、靖子さんが宅配便業者を装った男に刃物で切りつけられた玄関付近には、靖子さんの血痕がついた足跡が残され、南側に約60メートルにわたって続いていた。

 同庁が、この足跡の靴底を調べた結果、スニーカータイプの運動靴だったが、靴底の模様は、山口さん夫妻の自宅周辺の路上に残っていた血痕が付着した計19個の足跡とは異なっていた。

 山口さん夫妻が遺体で見つかった自宅玄関の土間には、「山口」と刻まれた印鑑が落ちており、吉原さん宅の事件前日17日午後6時前後、宅配便業者を装った何者かに襲われたとみられるなど、吉原さん宅の事件と類似点がある。警視庁と埼玉県警が19日に設置した共同捜査本部は、吉原さん宅周辺では、ほかにも複数の足跡が採取されていることから、これらについても、山口さん宅で採取されている足跡との鑑定作業も急ぐ。

 また、重傷を負って入院していた靖子さんは、意識は戻ったが、事情聴取をするまでは回復していないという。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081118-5344510/news/20081120-OYT1T00453.htm