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2008年11月20日(木) 22時06分

靴履き替え第2の犯行か 足跡の模様一致せず中国新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、両元次官宅周辺に残された足跡はいずれもスニーカーとみられ、靴底の模様が一致しないことが二十日、分かった。警視庁と埼玉県警はこれまでの捜査で同一犯との見方を強めており、第二の犯行となった東京都中野区で吉原健二よしはら・けんじさん(76)の妻が襲われた事件では、犯人が靴を履き替えて犯行に及んだとみて捜査している。

 吉原さんの妻は二十日、警視庁の聴取に応じ「犯人は年齢三十—四十歳ぐらいで、身長約一六五センチだった」と話した。

 さいたま市の山口剛彦やまぐち・たけひこさん(66)夫妻殺害に使われた凶器は、出刃包丁のような片刃の和包丁とみられることも判明。二人を執拗しつように刺したため刃先が鈍磨した可能性が高く、警察当局は中野区の事件では凶器も別のものが使われたとみている。

 県警が司法解剖して山口さん夫妻の傷口を詳しく調べたところ、凶器は形状などから刃の厚い和包丁のようなものと分かった。剛彦さんが刺された傷で最も深かったのは一六・五センチで心臓に達しており、刃渡りも長い。

 剛彦さんだけでも傷口は十カ所近くあり、中には肋骨ろっこつが砕けていた傷もあった。県警はこの犯行で包丁の刃先が鈍磨し、次の犯行の際に使った可能性は低いとみている。

 一方、吉原さん宅の廊下や部屋には血痕が点々と付いていた。室内に残された血痕の付着状況から、妻靖子やすこさん(72)は玄関で襲われ、一度室内に逃げた後で屋外に逃げ出したとみられる。犯人は室内で吉原さんを捜した可能性がある。

 靖子さんの傷口は大きいもので幅約五センチ。いずれの現場でも凶器は発見されておらず、警視庁と埼玉県警は犯人が周辺に捨てた可能性もあるとみて、周辺の茂みなどの捜索を進めている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811200287.html