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2008年11月20日(木) 07時01分

遼くん危ない 来週ツアー会場で爆発事件スポーツニッポン

 遼くんもヒヤリとする“爆発事件”が起こった。石川遼(17=パナソニック)が初出場する来週の男子ゴルフツアー「カシオ・ワールドオープン」(27〜30日)が行われる高知・芸西(げいせい)村のKochi黒潮カントリークラブで、クラブハウスのガラスが18日夜に爆発物を使って割られていたことが19日、分かった。ケガ人はなく、大会も予定通りに開催される方向だが、所轄の安芸署は、悪質な嫌がらせとみて建造物損壊容疑で捜査を開始。機動隊を投入するなど厳戒態勢で、来週の大会の警備に当たることになった。

 男子ゴルフの盛り上がりに水を差す不穏な事件が起きたのは、18日の午後10時40分ごろだった。コースでの異常を知らせる通報が警備会社に届き、駆けつけた警備員がクラブハウス入り口の高さ2・5メートル、幅2メートルの大きな強化ガラス2枚が壊されているのを見つけた。

 黒潮CCは夜間は機械警備となっており、外気が入ると警備会社に連絡が入る仕組みになっていた。安芸署によれば、近くに爆発物の部品のような物が落ちており、ガラスの破片には黒いすすが付着。ほかにもロビーのはめ込みガラス2枚が壊されており、同署の担当者は「中に入って物をとるわけでもない。コースに恨みがある人間の嫌がらせかもしれない」と建造物損壊容疑で調べを進めている。

 カシオ・ワールドオープンは25年以上の歴史をもつ大会で、05年から現在のコースに場所を移した。ところが、毎年のように環境破壊に反対する街宣車による“妨害活動”が起きて、関係者の悩みのタネとなっていた。黒潮CCから5キロほど離れた土佐CCで開催された3月の女子ツアーの試合も、街宣車による騒音被害を受けたという。

 予告文や事件後の声明などはなく、そうした活動と今回の事件の関連は不明。ただ、今回は爆発物が使われた非常に悪質で危険な犯行だ。20日に開幕するダンロップ・フェニックスのプロアマ戦が行われた宮崎市のフェニックスカントリークラブで事件の一報を聞いて石川は「心配です」と表情を曇らせた。

 大会を主催するカシオは協議の結果、当初の予定通りに大会を行うことを決め、「開催にあたっては警備強化、および高知県警との連携により、観客、選手をはじめ、運営全般の安全面を配慮して万全を期するものとします」とのコメントを発表。日本ゴルフツアー機構の山中博史専務理事(45)も「大会を前にして非常に残念。何が原因か分からないが、ありとあらゆる安全策を講じないといけない」と話した。

 コース周辺では安芸署と高知県警本部の機動隊が協力して24時間態勢で見回りを行う。大会期間中は、会場内にも警察官を配置する方向で検討を始めた。初出場の石川や賞金ランクトップの片山晋呉(35)らを目当てに集まるギャラリーや、選手や関係者を含めれば会場には1日1万人近くが集まる。遼くん人気で盛り上がる男子ツアーも終盤戦。卑劣な犯行に屈しないために、警察、関係者は厳戒態勢を敷くことになりそうだ。

 <遼くんはダンロップに気合 2勝目狙う>爆破事件に驚きつつも、石川は20日に開幕するダンロップ・フェニックスに向け、気合を入れた。愛着のある今季初優勝時のVパターの変更を決断。夏に使用していたモデルに回帰することを明かした。

 2位に入った10月の日本オープン、ツアープロ初優勝を飾ったマイナビABCでも使っていたのはL字マレット型。「悪くはないけど、少しだけ手首を使いすぎているので」と説明。夏に使用していたのはセンターシャフトのパターで太いグリップを装着しており、手首の余計な動きが抑える狙いがあるという。

 ダンロップはアマチュアで32位に入った昨年に続く2度目の出場。この日のプロアマ戦では「ティーショットが曲がるとすごく難しくなる」とコースの印象を話したが、「勝てるチャンスは逃さないという気持ちでやりますね」と話していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081120-00000035-spn-spo