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2008年11月20日(木) 00時31分

連続殺傷、宅配業者装う同じ手口 山口元次官宅玄関に印鑑東京新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、殺害されたさいたま市の山口剛彦さん(66)夫妻宅の玄関に、山口さんの印鑑が落ちていたことが19日、埼玉県警の調べで判明した。犯人は宅配業者などを装って玄関を開けさせた可能性があり、東京都中野区の吉原靖子さん(72)が刺された事件と同じ手口だったとみられる。

 埼玉県警と警視庁は同一犯による連続テロの可能性が高まったとみて共同捜査本部を設置した。山口さん夫妻の死因は、県警の司法解剖の結果、刺されたことによる失血死だった。

 また山口さん宅で「17日午後5時38分」と打刻されたスーパーのレシートが見つかっていたことも判明。山口さん夫妻はこの時刻以降に襲われたことになり、県警は犯行時間を絞り込む有力な証拠とみている。

 スーパーは自宅から約500メートルで、山口さんの妻美知子さん(61)が買い物をしたとみられ、レシートによると食料品数点を購入していた。

 県警によると、山口さん宅の玄関で見つかった印鑑はふたが付いた状態で、美知子さんの体のそばに落ちていた。山口さんの両手には犯人と争った時にできたとみられる傷があったが、美知子さんの手に傷はなかった。

 県警は、犯人に応対した美知子さんがいきなり襲われ、抵抗する間もなく刺された後、山口さんが襲われたとみている。山口さんには心臓に達するほどの傷があった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008111901000467.html