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2008年11月20日(木) 00時11分

筋弛緩誤投与で男性患者が死亡 徳島・鳴門の病院中国新聞

 徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院(増田和彦ますだ・かずひこ院長)は十九日、医師が解熱効果のある薬剤と間違えて処方した筋弛緩しかん剤を、看護師が同市の七十代の男性患者に投与し、患者が死亡したと発表した。死因は急性薬物中毒による呼吸不全とみられる。

 パソコンのシステムで薬を選ぶ際、当直の女性医師が副腎皮質ホルモン剤「サクシゾン」と、名前が似た筋弛緩剤「サクシン」を間違えたのが原因という。患者は近く退院する予定だった。

 鳴門署は、業務上過失致死の疑いもあるとみて病院関係者から事情を聴くなど捜査を始めた。

 病院によると、患者は肺炎と胸膜炎で十月末ごろ入院。十七日午後九時ごろ、患者が発熱したため、医師が解熱効果のあるサクシゾンの処方を決め、パソコンのシステムで検索。間違えてサクシンを選んだ。

 患者はぜんそくの症状があり、通常の解熱剤を使えなかったという。

 看護師は筋弛緩剤と気付き、医師に「本当にサクシンでいいのか」と確認したが、医師はサクシゾンと思い込み「二十分ぐらいかけて投与して」と指示、看護師が投与した。

 午後十一時四十五分ごろ、患者の呼吸が停止していることが分かり、十八日午前一時四十五分に死亡を確認した。

 病院のホームページによると、全国社会保険協会連合会が運営する総合病院で、内科、外科、脳神経外科などの診療科があり、約三百の病床を備えている。

 サクシゾンとサクシンの取り違えは二〇〇〇年、富山県高岡市の高岡市民病院でも起き、誤投与された男性患者が死亡している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811200095.html