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2008年11月19日(水) 19時49分

白鵬、大横綱に並ぶ記録に迫る産経新聞

 立ち合いで白鵬がすかさず左を差す。把瑠都の押っつけをものともせずに右もねじ込む。一気に前に出ると、強烈な圧力で198センチ、177キロの巨漢に後ろを向かせ、送り出した。初日黒星も、気がつけば定位置の単独トップである。


 8連勝と波に乗っていた相手を一蹴(いっしゅう)し、「うまく2本入った。思った通りだね」。「単独トップは当然ですか」と問われると、「そういうことで」とにやにや。日を追うごとによくなる相撲内容については、「勘というか慣れ」と応じた。


 優勝20回以上の大横綱しか成し遂げていない2つの偉大な記録に挑戦している。一つは年間80勝。先場所までに積み重ねた白星は66。すでに年間最多勝は確定させているが、このまま千秋楽まで勝ち続ければ、80勝の大台に到達する。


 もう一つが自身2度目の3連覇。3連覇は曙も達成しているが、3連覇以上を2度以上となると歴史に残る大横綱しかいない。「千秋楽まで優勝を争うのが横綱の責任」と、ことあるごとに繰り返す白鵬にとっては、胸を張れる記録だろう。


 付け加えれば、ほとんどが短命に終わった不知火型の横綱としては初の記録となる。「横綱を10年は張りたい」というだけで、記録にはこだわらない23歳。「ジンクスは自分で破る」と言ってのけた昇進時の誓いを実現させようとしている。(奥山次郎)

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081119-00000581-san-spo