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2008年11月19日(水) 19時07分

<社保審>中間整理案を了承 年金保険料の税金補てんなど毎日新聞

 厚生労働相の諮問機関、社会保障審議会年金部会は19日、年金制度の「将来的な見直し案」(中間整理案)を大筋で了承した。国民年金保険料(月額1万4410円)を十分払えない人に税金で不足分を補てんする保険料軽減支援制度や、高所得者に負担増を求める案などが盛り込まれている。今後、厚労省は与党と、時間をかけて具体案を検討する。

 保険料軽減支援制度は、全加入者に将来、満額の基礎年金を給付するための制度。現在、納付を減免・猶予されている低所得者は約572万人いるが、減免を受けるには申請する必要がある。減免対象の所得なのに申請していない人は1022万人おり、低所得の人すべてを対象とする支援制度を導入すれば、対象者は加入者2000万人中、最大で約1600万人となる。

 高所得者向けの制度見直しでは、厚生年金の保険料を決めるみなし賃金、標準報酬月額の上限(現在62万円)を、68万〜121万円まで引き上げる案が含まれている。

 現行の上限額では、年収が約970万円の人も約1900万円の人も月収は62万円とみなされ、年間保険料は約148万円(労使折半)、将来のモデル世帯の月額年金は約30.5万円で変わらない。だが上限を121万円に引き上げると、年収約1900万円の人の負担は約290万円(同)に跳ね上がる。負担増分をすべて給付に反映させると年金額は約47万円となるが、減額調整すると約39.5万円にとどまる。厚労省は、これによって最大約9000億円の財源を捻出(ねんしゅつ)できると試算している。【吉田啓志】

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