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2008年11月19日(水) 19時04分

<中南米>左派政権諸国、米の影響力減退狙い露に接近毎日新聞

 【リマ庭田学】中南米の左派政権諸国には、ロシアとの関係強化により、地域での米国の影響力を減退させる狙いがある。

 反米左派の急先鋒(せんぽう)であるベネズエラのチャベス大統領は9月の訪露前に「ラテンアメリカの経済・社会開発、平和のため、我々にはロシアのような友人が必要だ」と発言した。ロシアの存在が中南米の安定に寄与するとの認識だ。

 また、冷戦時代に対ソ連一辺倒だったキューバは、ソ連崩壊で深刻な経済危機に直面したが、00年に当時のプーチン大統領が冷戦終結後のロシア指導者として初めてキューバを訪問し、関係再構築が始まった。ニカラグアでも革命政権の指導者だった元左翼ゲリラのオルテガ大統領が昨年返り咲き、ロシアに最接近している。

 一方、反米諸国とロシアの軍事協力には周辺国から懸念も示されている。ベネズエラの隣国で親米政権コロンビアのサントス国防相は10月、「地域のパワーバランスや安定性に影響を与える。身近なところで冷戦が再びぼっ発する可能性を誰が予想しただろうか」と述べた。また、ニカラグアの野党指導者は「オルテガ大統領は我々を新たな東西紛争に巻き込もうとしている」と批判している。

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