記事登録
2008年11月19日(水) 00時11分

「不安ある」「不可解だ」=犯人像、想像できない−歴代厚生次官ら時事通信

 元厚生事務次官の山口剛彦さん(66)夫妻と吉原健二さん(76)の妻(72)が相次いで刺された事件を受け、歴代の事務次官経験者らは、事件への不安や、犯人への怒りの心境を口にした。
 元厚生労働次官の沢田陽太郎さん(64)は事件について、「不安がないと言えばうそになる」とする一方、「心配しても始まらない。身辺に特に変わったことはなく、普段通りに生活したい」と語った。
 殺害された山口さんとは次官就任後に知り合った。今年3月に独立行政法人を辞職した際には、「しばらくゆっくりしたい」と話していたという。「極めて温厚な紳士。個人的な恨みを買うような人ではない」と強調した。
 吉原さんの後任次官だった坂本龍彦さん(74)は「まったく不可解な事件」と表情を曇らせた。歴代次官を狙ったテロの可能性に、「いい気持ちはしない」と述べた。
 山口さんの後任の羽毛田信吾宮内庁長官(66)は、「山口さんとは同期入省で、吉原さんは尊敬する先輩。とにかくショックで、悲しいの一言に尽きる」と感想を述べた。「何が狙いなのか見当が付かないが、犯人は早く捕まってほしい」と語気を強めた。
 辻哲夫前事務次官(61)は、事件を受けた心境についてはコメントを避けたが、犯人像について「まったく想像もできない」と不安をのぞかせた。
 社会保険庁長官を務めた後、今年9月まで最高裁判事だった横尾和子さん(67)は「わたしも胸を痛めていて、とても何かを申し上げる気持ちにならない」と言葉少な。厚労省から連絡を受けて事件を知ったといい、「自分の身に不安を感じることはないが、何事も平穏なのが望ましいのですが」と沈んだ声で話した。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081119-00000001-jij-soci