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2008年11月19日(水) 02時12分

年金のプロ標的?年金局長経験者の吉原さんと山口さん読売新聞

平成元年度予算復活次官折衝に臨む吉原健二・厚生省事務次官(右から2人目)と山口剛彦・会計課長(左端)。(89年1月22日、大蔵省で撮影)

 吉原さんと山口さんは旧厚生省で10年離れた先輩と後輩。ともに年金局長を務めた経験があり、基礎年金制度の導入を柱とする1985年の年金改正では担当幹部として共にかかわるなど、年金問題のエキスパートとされていた。

 小泉純一郎元首相が厚生相を二度務めた際にそれぞれ事務次官だった点でも共通している。

 吉原さんが年金局長在任中、山口さんが1年余、年金課長として仕えている。

 山口さんは年金課長時代に年金改正に携わり、基礎年金制度導入の陣頭指揮をとった。96年11月に社会福祉法人代表からの現金提供と利益供与疑惑で、当時の岡光序治次官が辞任したのを受け、急きょ後任に抜てきされ、組織の立て直しにあたった。気さくな人柄で、省内では「仏の山口」と慕われていた。

 基礎年金制度の導入は、厚生年金や国民年金などに分立していた制度の土台部分を統一する大改正だった。だが、最近では自営業者などの保険料未納が増え、基礎年金制度のほころびが深刻化。昨年明るみに出た年金記録問題では、基礎年金番号に統合されず、該当者が分からなくなっている年金記録が約5000万件に上ることも判明し、批判が強まっていた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081118-5344510/news/20081119-OYT1T00114.htm