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2008年11月19日(水) 13時37分

同一の連続犯か、手口酷似 元厚生次官ら連続殺傷事件東京新聞

 元厚生事務次官ら連続殺傷事件で、山口剛彦さん(66)夫妻が殺害されたさいたま市南区の自宅周辺に、100メートル以上にわたり血痕の付いたスニーカーの足跡が残っていたことが19日、埼玉県警の調べで判明。吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)が刺された東京都中野区の自宅前の道路にも血痕の付いた足跡が残っていたことが警視庁の捜査で分かった。犯行手口が酷似しており、警視庁と埼玉県警は同一人物によるテロ事件の可能性もあるとみて、足跡を照合するなど捜査を進める。

 警察庁は同日、警視庁と埼玉県警に共同で捜査に当たるよう指示。厚生労働省は入庁のチェックに金属探知機を使うなど厳戒態勢を敷いた。

 山口さん方は台所の換気扇が回ったままで、夕食の準備中だったとみられる。居間のテレビはつけっぱなしで、居間と台所の電気、玄関灯もついていた。吉原靖子さんも午後6時半ごろに襲われており、犯行は1日おいた夕方のほぼ同時間帯だった可能性が高い。

 埼玉県警によると、足跡は山口さん宅前の路上をいったん西に向かい突き当たりを南下。南東約500メートルのJR武蔵浦和駅方向に向け100メートル以上続いていた。県警は犯人が徒歩で逃走し、同駅から電車に乗った可能性もあるとみて、駅などの防犯カメラに不審な人物が写っていないか調べる。

 一方、中野区の吉原さん宅の南側に続く道路には、約80メートルにわたって血痕が残されていた。警視庁は男が靖子さんを刺した後、徒歩で南の方向に逃走したとみている。

 (共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008111990133719.html