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2008年11月19日(水) 20時09分

厚生労働省、金属探知機でチェックスポーツ報知

SPに警護され車に乗り込む舛添厚労相

 元厚生次官らが相次いで殺傷された事件から一夜明けた19日、東京・霞が関の厚生労働省では、入り口で警備員が職員以外の入庁者を金属探知機でチェック。厳戒態勢が敷かれた。

 40代の職員は「陳情も多いのでセキュリティーは緩い方だった。排他的になるので厳しくするのは良くないが、仕方がない」。現職幹部の自宅周辺もものものしい雰囲気で、江利川毅事務次官の自宅前には防護服姿の警察官らが10人以上。「先輩があんなことになればショックですよ」と言葉少なだった。

 舛添要一厚労相は自宅前で「断じてテロは排除しないといけない」と強い口調で語り、年金局長室と社会保険庁長官室の前にも警備員が1人ずつ配置された。

 午後1時から開かれた年金制度改革を議論する社会保障審議会年金部会。江口隆裕筑波大ビジネス科学研究科教授が「今日の議論が事件に影響されてはならない」と発言。委員全員が1分間黙とうをささげた。

 衆院厚生労働委員会でも、与野党議員が険しい表情で質疑に臨んだ。「卑劣な犯罪。一刻も早く解決してほしい」と語気を強めたのは民主党の「ミスター年金」として年金記録不備問題を追及してきた長妻昭氏。自民党の西川京子氏は「政治家へのテロはあったが行政官を狙った犯行は初めてではないか」と憤った。

 一方、山口剛彦元次官(66)夫妻が殺害されたさいたま市南区の現場には朝、知り合いとみられる男女5人が訪れ、警官に白いユリの花束を託して立ち去った。吉原健二元次官(76)の妻(72)が刺された東京都中野区の現場では茂みや排水溝を捜索、犯人の遺留品の発見に全力を挙げた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081119-OHT1T00239.htm