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2008年11月19日(水) 22時03分

3人目の賞金総額2億円にらむ片山晋呉 男子ゴルフ 産経新聞

 国内男子ツアーは、今週開催のダンロップフェニックス(20〜23日、宮崎・フェニックスCC)を含め残り3試合となった。賞金王争いは、前週優勝した片山晋呉が約1億7480万円で一歩抜け出ているが、3試合で計9800万円の優勝賞金があり、2位の矢野東、3位の谷原秀人にもチャンスは残る。また、8位につける石川遼が17歳で1億円プレーヤーになる可能性も残す。

 片山は、前週の太平洋マスターズでプレーオフの末、今季3勝目を挙げたことで、賞金総額が2億に迫った。これまで2億円を突破したのは、尾崎将司と伊沢利光の2人だけ。それだけに「不可能じゃなくなったので、ぜひやってみたい」と意欲をのぞかせる。

 平均ストローク、パーキープ率は1位とショットの精度は高く、平均パット数も7位と安定する。さらに生活すべてをゴルフに注ぎ込む強みもある。左手でスコアカードをつけ、歯磨きをし、プレーの最中にもパターを使って左利きで素振りするなど「普段使わない脳を活性化させている」という。左利きの素振りは最近、石川もまねているほどだ。

 石川の登場で、観客動員数は前週までの21試合(北京オープン除く)で約45万人に達し、昨年同期の約35万人を大きく上回った。視聴率は16日(日曜)には11%と今季最高を記録。平均でも昨年より1・2ポイント高い6・2%(関東地区、日本ゴルフトーナメント振興協会)と好調だ。

 これに触発されたのか片山は、今季就任した日本ゴルフツアー機構の小泉直会長が強調する「ファンサービス」にも目を向ける。「励まされているという言葉を、メールや手紙で見たり聞いたりするのが最高の喜び。そういう人が一人でも増えてほしい」と話す。

 35戦で優勝者24人と新たなヒロインが出現し続けている女子ツアーに対し、男子は片山の“独り勝ち”状態だ。2位の矢野と約4500万円、3位の谷原とは7130万円の差がある。矢野は前週予選落ち、谷原はショット、パットともいまひとつ調子が出ない。「負けるから悔しい」と常に勝利を目指す片山を負かす選手が出現してこそ、男子ツアーも、より活性化しそうだが…。(松本恵司)

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