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2008年11月19日(水) 21時38分

麻生首相、「失言」の弁明も失言? 産経新聞

 麻生太郎首相は19日夜、首相官邸で記者団に対し、同日の全国都道府県知事会議で首相が「医師には社会常識が欠落している」と取れる発言をしたことについて「医者の友達もいっぱいおり、意見、波長が合わない人が多いなと思っていた」と釈明したうえで、「そういう(常識欠落との)意味では全くなく、まともな医者が不快な思いをしたのなら申し訳ない」と弁明した。ぶらさがり取材の詳細は以下の通り。


【元厚生次官ら連続殺傷事件】


 −−元厚生元次官の事件の関連ですが…

 「うん?」


 −−元厚生次官の事件の関連ですが

 「はい、はい、はい」


 −−警視庁は、厚生労働省関係者の警備強化を決めたが、行政に関わるものが危険にさらされるような状況について、行政のトップである首相としてはどのように考えるか

 「この2つが、いわゆる行政関係者を狙った、特定の役所のあれを狙ったものだというのがきちんと判明したという段階でありませんから言いようがありませんけれども、もし、2つの関係が明確になった段階においては、これは明らかにテロとみなして、これは断固たる処置を取る。当然のことだと思いますけどね。今の段階では、単なる傷害か、なんとかってまだ決まってないんだろ? よく知らねぇけど。だから、その段階ではちょっとうかつなことは言えませんけど、これがテロだと、いわゆる2つの間に明らかに意図があったということがはっきりしたなら、断固たる処置を取るのは当然です」


 −−首相はどんな指示を出しているのか

 「これはだって、警戒態勢っていうのを万全にするのは当然じゃないかという話はしましたけど、夕べの段階でしたんじゃないかな」


【道路特定財源】


 −−道路特定財源の問題だが

 「道路特定財源? はい」


 −−今日、首相官邸で開かれた全国都道府県知事会議の中で首相は、地方の取り分は今、1兆3000億円だと。その分より増やさなければならない、というふうにおっしゃったと思うが…

 「もうちょっとねー、きちーんとそれ整理してね。多分わかってないんだと思う。わかってない人が多いんだろうと思うけど、道路特定財源のうちから地方の取り分としては、今、現在ですよ、交付金という名前でいくらいってる?」


 −−7000億円です

 「補助金で?」


 −−6000億円です

 「足して1兆3000億、ね。これがすべての答えですよ。地方交付として、いわゆる交付金っていったって、そら本当の交付金じゃないんだから。それ、聞こえがいいよ、交付金っていうのは。何でも使えそうに見えるけど、うそだから、そら。そら道路にしか使えない交付金なんておかしいじゃないのそんなの。だから、これは総務大臣の時からおかしいなーと、何でこんなに『交付』なんて名前がついてるんだろうなと、僕は思ってましたよ。だから、少なくとも今回、地方が交付税として、使いやすい交付税として1兆円ということを僕は言ったんであって、それが1兆3000億の方は消えて…わかる? 消えて、1兆3000億が1兆円に減るかのごとき話にする人もいるだろ? ね? それはない。ね。だから、1兆3000億を下回ることはない。わかる? そういう意味ですよ。そうするとまだ1兆っていう記憶しかないから、そんなこというんだけど…」


 −−1兆3000億円というのは、地方交付税として1兆3000億円以上と?

 「地方交付税として自由に使える金が1兆、最初からいった金が1兆、それはずっと同じです。ただ、こっちのやつ、7000億と6000億を削って、いつの間にか気がついてみたら地方の取り分が3000億減りましたなんていうのはだめだと」


 −−3000億円は地方の道路の整備費用か

 「それは、道路の整備費用でもいいでしょうし、いろいろ考え方です、それは。ただ少なくとも地方が自由に使えるというものが基本として、ま、地方はほとんど道路に使うんだって。正直言うけれども、だけど、使いますけれども、自由に使った、自分で使う道路と、いわれて使う道路とじゃ意味が違うでしょうが、全然。だから、1兆円というのは、地方交付税として1兆円というのが、もうずーっと一貫していっていることであって、気がついてみたら勝手なこといって、みんないきなり、だったらこの1兆3000億を削るみたいな話をしてるやつがいるからさ、何を考えてるんだって、いう話をして。今度はこっちはこっちで勝手にやって、その1兆3000億プラスの1兆みたいな話になるから、じゃ2兆3000億って話になるから、ちょっとそれも違うんじゃないのと。ま、今からいろいろ出ますけど、僕の言ってんのは、地方が自由に使える交付税として1兆を、従って今の1兆3000億というあれを下回ることはない、そういう意味です」


【日本郵政グループの株式凍結】


 −−自民党が、日本郵政グループの株式売却凍結法案を国会への提出を検討するという話があるが、首相の見解は

 「あの話は、参議院でもう通ってんだと思うね。しかも2回通って、そのまま、あの、ぶら下がってんじゃない? 確か、2国会ぐらい前に通ってないか、あれ。だから、2国会ずっと中ぶらりんになっているんだと思いますが。株式を売るという話になっているんだと思いますが、今、こんな株が下がってるときにしゃにむに売んなくちゃいけないと、そんあほな話があるかと。だから、株は高くなったときに売るの。それが当たり前。だって政府のあれを売るんだから、だから高くなったときに売るのが当たり前。それから会社としては、やっぱりもうからない会社だということをみんなで見てわかったら、株は上がらないですよ、絶対に。だからちゃんと民間になった会社がもうかるような制度にもう一回考え直す必要があるよと。なんかまた国営化しますよ(などと)、いろんなこと言ってる人がいるが、それは違うと。民営化、ただしもうかる会社にしないと株価は上がらない。株価上がんなきゃ損しちゃうんだから。だからそういった意味では、そこを考えてんのは、今年売らなくちゃいけないみたいなルールになってるというから、株価が下がってる真っ最中に売るやつがどこにいるんだと、という話だったと思いますね」


 −−そうすると現時点では売却を凍結すべきだと

 「うん、凍結した方がいいでしょうね」


 −−郵政民営化によってサービスが低下したとして、見直すべきだとの意見も出たが首相の受け止めは

 「郵政の民営化の結果、いろんな地域によって格差が出るであろうということはもう前々から言われた話ですから、それは程度の問題なんですよ。だからその地域によってものすごい差がついているというんであれば、その地域に対してしかるべき対応をやった方がいい。しかしそれは制度上できないんだというんであれば、それは考え直さないかんという話ですよ。だからこれは個別の話をね、各選挙区ごとのね、また、一地域の話なんかなったら、もう収拾つかなくなるんですよ。だからきちんと、経営する側がきちんとしなくちゃいかんという話だと思いますんで、そういった意味では、サービスは極端に低下しないという約束は、極端に低下してるというのであれば、会社できちんと対応すべき」


【失言】


 −−今日の知事会議…

 「知事会議、はい。知事会議って新聞記者いたんじゃないの?」


 −−その中で、文脈として「医者には社会常識が最も欠落している」と取れるような発言があったが…

 「ああ、そう? それは知らなかった」


 −−その真意は

 「あー、お医者さんてのはオレの友達もいっぱいいるんだけど、なんとなくそういった意味で、なんとなくちょっと、全然、話した意見が全然、普段のオレたちと波長が合わないのが多いなと。友達多いせいかそう思ってました。うちも医者いっぱいいますから。なんて言ったんだって? ちょっと覚えてねえんだがな」


 −−医者には最も社会常識が欠落している人が多い、と取れる…

 「あー、そういう、そういう意味じゃ全くありません。だからそういった意味で、なんていうの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、そら申し訳ありません。それは」

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