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2008年11月19日(水) 21時20分

<業務上横領>西松建設元幹部を逮捕 3500万円流用毎日新聞

 海外で捻出(ねんしゅつ)した資金約3500万円を私的に流用したとして東京地検特捜部は19日、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)海外事業部の元副事業部長、高原和彦容疑者(63)=米国在住=を業務上横領容疑で逮捕した。特捜部は、同社が海外事業に絡んで裏金を作っていたとみて、資金の流れの解明を進める。

 調べでは高原容疑者は05年11月、同社が香港に設立したペーパーカンパニーの口座に預けてあった資金のうち30万ドル(約3540万円)をフィリピンの自分の銀行口座に送金し横領した疑い。容疑を認めているとみられる。

 関係者によると、高原容疑者は当時、タイやフィリピンに滞在し、会社の裏金作りにかかわったという。流用額は逮捕容疑を含めて7000万円前後に上るとみられる。株の購入などに充てていた疑いがあり、特捜部は高原容疑者を追及する。

 同社は官公庁発注の大型土木工事が主力事業で、香港や東南アジアでも実績がある。東南アジアで建設工事を請け負った際、実際より高く受注費を計上する経理処理で裏金を捻出し、香港の口座にプールしていたとされ、特捜部は裏金作りの経緯や使途についても調べを進める。

 特捜部は、高原容疑者が逮捕容疑とは別に、約1億円を税関に無届けで日本国内に持ち込んだとして、08年6月に外為法違反容疑で同社などを捜索。元海外担当副社長(現非常勤顧問)ら上層部が持ち込みを指示していた可能性もあるとみて、同社関係者からも聴取している。

 西松建設は「捜査中であり、コメントを控えたい」としている。

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