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2008年11月19日(水) 00時28分

都内でも元次官妻刺される=重傷、自宅に刃物男−厚生官僚狙い連続テロか・警視庁時事通信

 東京都中野区にある元厚生事務次官で厚生年金事業振興団顧問の吉原健二さん(76)宅で18日夜、妻靖子さん(72)が男に刺され、重傷を負った。男は逃走した。同日午前、さいたま市で起きた男女殺害事件の被害者も元同次官山口剛彦さん(66)夫妻と確認された。吉原、山口さんは基礎年金導入にかかわっている上、玄関で襲う手口が似ているため、警視庁など警察当局は連続テロの可能性があるとみて捜査している。
 同庁捜査1課は殺人未遂事件として、野方署に捜査本部を設置した。
 調べによると、同日午後6時半ごろ、同区上鷺宮にある自宅で、靖子さんが玄関ドアを開けたところ、宅配便を装った男に突然、胸部や腹部など数カ所を刃物で刺された。靖子さんは搬送の際、救急隊員に話せたが、病院の集中治療室に入った。
 男子専門学校生(27)が徒歩で帰宅途中、女性の悲鳴を聞き、現場方向に向かって靖子さんを発見。「路上で人が倒れている」と119番した。
 靖子さんは自宅から数メートル離れた路上で倒れていた。凶器は見つかっておらず、自宅に物色された形跡はなかった。吉原さん宅は夫妻と息子の3人暮らし。靖子さんは一人で家にいた。男は身長約160センチで普通の体格。30歳ぐらいで、野球帽をかぶっていた。現場は西武池袋線富士見台駅から南へ約500メートルの閑静な住宅街。政府高官によると、吉原さんの妻は「主人が狙われているかもしれない」と話したという。吉原さんは東京大卒業後、1955年厚生省入省。年金局長、社会保険庁長官を経て、88年から90年に事務次官を務めた。一方、埼玉県警はさいたま市内の民家玄関で見つかった男女の遺体を山口さんと妻美知子さん(61)と確認。県警は殺人容疑で浦和署に捜査本部を設置した。調べでは、山口さん夫妻はそれぞれ胸数カ所に刃物による刺し傷があった。山口さんは96年から99年まで厚生事務次官を務めた。 

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