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2008年11月19日(水) 21時11分

「医師、社会常識欠落している人が多い」首相が問題発言読売新聞

 麻生首相は19日午後、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師確保策に関連し、「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会常識が、かなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと……」と述べた。

 首相はこの後、首相官邸で記者団に対し、自身の発言について、「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、申し訳ない」と陳謝した。

 日本医師会の中川俊男常任理事は19日の記者会見で、「首相がそんなことを言うとは思えない。これから事実確認をしたい」と述べた。

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 首相が19日の全国知事会議で行った医師確保に関する発言の要旨は次の通り。

 自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会的常識が、かなり欠落している人が多いと思ったほうがいいなあ。うちは何百人と預かってますからよく分かりますよ。とにかく、ものすごく価値観が違う。それはそれで、そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと。

 これは本当に大問題なんで、小児科、婦人科というところが猛烈に問題になっている。これは急患が多い。急患が多いところはみな人が引く。だったら、その分だけ点数を上げたらどうですかとかいろいろ言っていると、問題点がいっぱい指摘できた。

 医師会もいろいろ、厚生(労働)省も、この指摘は5年前くらい、(自民党)政調会長の時したと思うが、必ずこういうことになりますよ、と申し上げて、そのまま、答えが出てこないままになっている。

 医者の数を減らせ、多すぎると言ったのはどなたでした、と申し上げて、党としても結構激しく申し上げた記憶がある。ぜひ、そういった意味では、この問題については、臨床研修医制度の見直しなどについては改めて考え直さないといけないもんだ。

 大学の医学部の定員も、過去最大限まで増やすという話もあるが、出てくる医者は今から先のことですから、目先のことをどうするのか、というところで、医師不足の声というのは真摯(しんし)に受け止めないといけない、と思っている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081119-00000054-yom-pol