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2008年11月19日(水) 20時59分

【元厚生次官ら連続殺傷事件】厚労省には日常的に苦情電話産経新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件で容疑者のターゲットとなったとみられる厚生労働省は年金局のみならず、後期高齢者医療制度、各種労働問題、薬害被害など批判の矢面に立つ頻度が高く、日常的に苦情電話が殺到している。中には殺人や爆破予告もあり、対応に苦慮している。

 厚労省関係者によると、10年ほど前には迷彩服で日本刀を持った人物が押しかけることがあったが、最近は危険人物が押しかけたことはなかったという。一方、年金問題で批判された社会保険庁には現在も「コールセンターがつながりにくい」など電話での苦情が相次いでいる。同庁サービス推進課は「激高して『事件を起こす』『職員に危害を加える』といった電話があった事例は過去にあったと聞いているが、実害は1件もない」と話している。最近は若い世代にも「ねんきん特別便」が届くようになり、苦情は幅広い世代から寄せられている。

 一方、今年4月以降に厚労省の電話交換手が、男の声で「厚労省を爆破するぞ」という脅迫電話を受けたため、警視庁に通報。庁舎内の不審物を点検したほか、各階のごみ集積所に施錠する対策が取られた。

 このほか、後期高齢者医療制度に関係する職員を名指しで「家族へ危害を加える」といった脅迫電話があったため、職員の登庁を見合わせる事態も発生していたという。

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