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2008年11月19日(水) 20時59分

【元厚生次官ら連続殺傷事件】緊迫する厚労省…来庁者を金属探知機で検査産経新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件から一夜明けた19日、東京・霞が関の厚生労働省では一般来庁者を警備員が金属探知機で検査するなど警備が強化された。また、同省年金部会では私服警官が警戒するなど終日、物々しい雰囲気に包まれた。

 厚労省のある中央合同庁舎5号館正面玄関前には機動隊のバスやパトカーが駐車し、警察官が周辺や地下鉄への通路を警戒した。江利川毅事務次官が電車通勤から公用車通勤に切り替えたほか、同省ホームページから幹部名簿を削除した。

 一部部局では管理職から職員に「宅配便に応じる際は、よく確認するように」と注意喚起した。30代若手職員は「怖さを身を持って感じた」、50代幹部は「私の家にも警備をよこしてほしい」と語るなど、「地下鉄サリン事件(平成7年)以来の警戒態勢」(幹部職員)。緊迫した雰囲気のためか、昼休みには外出を控えた職員が庁内の弁当店で行列を作った。

 同日午後行われた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会では私服警察官が警備する中、冒頭に委員の1人が「議論が事件でいささかも影響されてはならないと確認しておくべきだ」と発言。部会長の稲上毅東大名誉教授の提案で全員が黙祷(もくとう)した。

 舛添要一厚生労働相は事件について自宅前で記者団に対し「仮に歴代幹部を政治的目的で狙ったテロだとすれば、許し難いことだ。テロというのは排除しないといけないし、卑劣な行為は断じて許せない」と述べ、怒りをあらわにした。

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