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2008年11月19日(水) 20時51分

<川口父刺殺>15歳長女を少年院送致毎日新聞

 父親(当時46歳)を刺殺したとして、殺人の非行事実で送致された埼玉県川口市の私立中3年の長女(15)について、さいたま家裁(富永良朗裁判長)は19日、初等少年院送致を決定、「4年程度の相当長期間が必要」との意見を付けた。富永裁判長は「若年のうえ年齢に比べて未熟で、保護処分による更生可能性は高い。結果を悔い、謝罪の念を表している」と理由を述べた。

 同家裁は長女の動機について「勉強意欲を失い、成績が下降したことを親に責められていた。不安定な友人関係にも悩み、自殺を思い抱いた」が「自殺後の家族のことを考え、一家心中」を選んだと認定した。また背景事情には▽常識的な判断能力や想像力に欠ける▽日ごろから、人の殺害行為や人の死などについての描写が多く、抑圧された攻撃性を表現したさまざまなメディアを愛読▽期末テストの結果が悪く父母に隠していた▽非行当日は保護者会があり、これまでで最悪の成績が父母に知られる日だった−−などを挙げた。責任能力については問題がないと結論づけた。

 決定要旨によると、長女は一家心中を思い描き、台所の包丁を自室に隠しておいたうえ、7月19日午前3時ごろ寝室で寝ていた父親の胸や顔を包丁で刺し殺害した。食用油をまいて放火することも考え、マッチを購入していた。【浅野翔太郎】

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